認知療法ケースワーク:対人ストレス 言葉を選べない上司

今日の課題・本文

Aさんは事務職員として数年勤務を続けています。問題なく勤務を続けていましたが、上司が変わると、今までと違い細かい事を指摘されることが多くなりました。例えば、結果は変わりませんが、書類作成の手順などを指摘したり、項目名などを細かく修正を求めたり、文章のフォントや大きさなどです。また、仕事にどれくらいの時間がかかるのか、空き時間は何をしているのかなど細かく聞いてきます。Aさんは自分の能力ややる気が疑われている気がして、上司に今までのやり方でも問題が無かったと訴えますが、上司からは「こんなことも知らないなんて信じられないなと言われ、怒りを覚えます。また、体調が悪く早めに仕事を切り上げ帰ろうとすると「さぼっているのか」と叱られます。Aさんは上司に対して「理解の無い上司だ」と腹を立て、上司の意見に反論して対立したり、上司に言われたことを無視したり、避けるようになりました。そして、だんだんと、自分の業務が手一杯になっても上司には相談できず、他の職員が上司と普通に話しているのを見ると職場では孤立しているように思えて不安になります。そして、ひろうがたまり朝の出勤が辛くなってきています。Aさんは「上司が自分の事を理解してくれて、失礼な言い方さえしなければいいのに」と思い上司を避けています。

メタ認知


状況:
・マイクロマネジメント
・「信じられない、さぼっているのか」
思考:
・能力/やる気が疑われている
・失礼な言い方をされる
・理解の無い上司だ
・孤立しているのでは?
気分:怒り
身体:疲労がたまり
行動:
・反論して対立
・無視
・避ける
・相談できない

癖の検討

理解の無い→全か無か思考 
理解すべき→すべき思考

状況に沿った見方 言葉を選べない人だ

この状況における認知・行動を検討

常識・ルール・価値観を外して考える。
もっとも他社に働きかけるにはどんな関係が良いか?

〇ベクトルをあわせる
〇利害関係を合わせる
◎信頼関係
〇相互尊重(相互は難しいか)
△能力が認められる(認められても対立してては、、)
◎相手を必要以上に不快にさせない

対応の仕方:
相手の価値観を否定しない
褒める
顔を見る、話し終えるまで待つ
「相手の現在のふるまいはその人と立場環境からすれば自然な事だ」

集団認知行動療法:スキーマを探す

スキーマ(中核信念)とは

自動思考の根底にある考え方の事をスキーマといいます。様々な状況や場面でぱっと思いつく思考、イメージは自動思考であり、その根本にある考え方がスキーマです。

出典: 図解 やさしくわかる認知行動療法

スキーマの実例


例えば、状況として友達に誘われたとします。ここで行くのが怖いと思った場合、それは自動思考です。行くのが怖いという事は表面的な思考で、その自動思考自体を解決するのは難しいと言えます。その根本にある考え方に辿りつくことで、根本から解決しやすくなります。

自動思考から、スキーマへ辿り着くには、自分が最も恐れている事は何かと考える必要があります。「怖い」のは何故か?何を恐れているか具体的に例を考えてみます。

行くのは怖い 
→ 行ったらどうなる?
行って打ち解けられるか不安
 → うちとけられないとどうなる?
二度と行きたくなくなる
 → なぜ?
自分が雰囲気を台無しにするのではないか 
→ もし、それが真実だとすると、自分にとって何を意味するか?

スキーマ:面白くないやつだと思われたくない

一番下の文がスキーマに近い考えになります。

基本的には、自動思考が起こった場合に、もしそれが真実だと仮定すると、

・それは自分自身にとって何を意味するか。
・なぜ、それが問題になるのか。
・次には何が起こるだろうか。

という事を考えていきます。

これは一人でやるのは最初は大変難しく、スキーマにたどり着くのにはスキルが必要です。又、十分に深く掘れているかの判断もなかなか難しいものがあります。私は、カウンセラーの先生にいつも助けていただいています。

自分のスキーマを実際に探す

今回は自分の日頃の不安を言葉にして、スキーマを探しました。

状況: 転職後の未来が良く描けない
思考: うつを再発したらどうしよう、体力が足りなかったら、仕事の〆を守れなかったら、動けなくなったらどうしよう
気分: 不安

仮に思考で考えた事が起きると仮定して、もしそれが起こったら何が起こるか。

・会社に迷惑をかける → するとどうなるか?
・役に立たないやつだと思われる → なぜそれが問題になるのか?
・首になってしまう → なぜそれが問題になるのか?
・体裁が悪い ・家族に心配をかける ・お金が尽きるかもしれない →それは何を意味するか?

首になるのは不名誉だと思っている。
会社・家族に心配をかけることは自分はいない方が良いと思っている。
お金が無くなってしまうとどうしようもないと思っている。

おそらく上記の考え方はスキーマに近いところまで掘り進められていると思います。

私のスキーマは正確に状況を反映しているか?

・首になったら不名誉であるか? 
これ、最初は不名誉だと思っていたのですが、良く考えるとそんなことないですね。職場を変えるという事は起こりえる事ですよね。そんな事って世の中に一杯あると思うのです。就職の数だけ離職することもあると思います。それ、不名誉な事ではないですね。新たなスタートを切るためには必要な事です。頑張っただけ良いと思います。それを恐れて始めないことを恐れるべきではないかと思えてきました。首になったらそこは自分に合わなかった訳で、自分に合った職場が見つかるまで、また転職活動したら良いと思います。よって、このスキーマは自分の中で確信していましたが、今の確信度は0です。

・会社・家族に心配をかける自分はいない方が良いか?

心配のかけ方にもよりますが、一緒に過ごす中でお互いに迷惑をかけるという事は必ずあることだと思います。迷惑が全くない状態が続くというのは逆におかしいと思います。迷惑が多少なりあるのが常です。迷惑レベルにもよりますが、お互い助け合うのが家族です。仕事でもそうですね、お互いに迷惑をかける事は仕事でも必ずあります。ここで思い当たる思考の癖は、三つありました。

・「私」が心配をかける→ 個人化 
 → その状況になったのは、組織の問題でもあるかもしれない。
・心配をかける→ 全か無か思考 
 → 心配だけかけているわけではない。なにか良い影響もあるはず。
・いない方が良い → 結論の飛躍 

よって、よくよく考えると、このスキーマの確信度はかなり下がりました。

・お金が無いと何もできない
これは明らかに正ではないですね。やり直しは何度でも効くはずです。
むしろ、恐れて始めなかったらそれこそ、何もできないということなので、始める事を恐れる理由にならないですね。

よって、これも確信度は0です。

私の転職に関する不安のスキーマ探しまとめ

最終的に私の自動思考はこの3つのスキーマによって起こっていました。しかし、その元の確信度をきちんと確かめてみると、全く正しくないスキーマを元に自動思考が起こっていたということになります。よって、このスキーマの確信度が減ったことで、私の自動思考は間違った論拠を元に考えているということがわかりましたので、転職の不安というのも冷静に考えれば正しくないということが分かります。

こうして、私の転職への不安はかなり軽減されることになりました。

身の回りに不安なことがあったら、それは何を根拠に不安になっているのか、自分で整理してみるととても役に立ちます。意外と状況に即していない、もしくは現実的でない事を当たり前のように信じていたりするので、ビックリしました。いろいろな局面でこれを使えるようにスキルアップしたいと思っています。

認知療法ケースワーク:対人ストレス 現実と折り合いをつける

今日の課題・本文

Aさんは30代男性、総務の仕事をしています。入社以降、同じ会社で勤務を続けています。20代の頃は徐々に仕事も覚えて評価を受けていました。30代後半になると役職が上がり部下がつくようになりました。そして、仕事の量が増えたことで、「他部署に迷惑をかけないように仕事をしなくては」と責任を感じるようになりました。また、一人、十分に仕事ができない部下もいましたが「部下の育成は上司の務めだ」と考えて部下対応に時間を割くようになりました。すると、業務時間が拡大し、徐々に帰宅するのも遅くなるようになってしまいました。しかし、遅くまで職場にいても仕事が十分にできずに他部署から「まだできないの?」とせかされたり、1人の部下の仕事は改善されません。Aさんは、家に帰ってからも「あの仕事は終わっていなかった」「また他の部署に迷惑をかけてしまう」「周りから能力が無いと思われるかもしれない」と気が抜けず、不安で夜も眠れなくなってきました。上司にそのことを相談すると、「確かに他の人の方ができるが仕方ないだろう」と言われました。Asannhaこのままでは周りに迷惑をかけるし、信用も失うと思って不安な気持ちで追い立てられるように仕事をする毎日になっています。

本日のお題は、自分であったら、この状況をどう受け取るかです。
以下、私の分析結果です。

メタ認知


状況:
・役職の変化
・部下ができる
思考:
・迷惑をかけないように仕事をしなくては
・部下の育成は上司の務めだ
・あの仕事は終わっていなかった
・また他の部署に迷惑をかけてしまう
・周りから能力が無いと思われるかもしれない
・信用を失う
気分:不安
行動:追い立てられるように仕事をする

癖の検討


・迷惑をかける・また他の部署に迷惑をかけてしまう → 全か無か思考
・部下の育成は上司の務めだ → すべき思考
・あの仕事は終わっていなかった → 選択的思考
・周りから能力が無いと思われるかもしれない → 破局的推論
・信用を失う → 破局的推論

思考がどの程度の確率で起こるか


・迷惑をかける 100% (大なり小なり仕事をする以上お互い様)
・部下の育成は上司の務めだ 50% (半分は部下のせいでもある)
・あの仕事は終わっていなかった 100% (どこまで仕事するかのライン決めを間違えば常に仕事は終わらない)トリアージの考えを取り入れる。優先順位のつけ方
・周りから能力が無いと思われるかもしれない 100% (比較論なので誰と比べるかによって常に正となりえる)
・信用を失う 100% (これは上の結果起こる事なので、能力があると見せることに対する信用であれば100%それは失われる)

予測した状況が避けられない場合の心持(認知)働き方(行動)をするとよいか

迷惑をかけるというのは常に起こりえる事です。例えば、会社を休む、遅刻する、打ち合わせを忘れる、〆を守れない、法令違反、色々ありますが、、、起こってはならないと考えずに、一定の確率で起こるので起こったらきちんと事後処理をするという事です。一時的に穴をあけたぐらいで組織は滅びません。

致命的な仕事が終わってない場合、それは取捨選択を間違った場合であって、それが起こった仕組みをきちんと理解してその失敗が起こらない仕組みをきちんと考えるチャンスです。何かを発見している所ですね。

信用を失うとか、能力が無いと思われるのは本当にそうであれば仕方がない事です。早めにバレて楽になりましょう。失った信用は挽回できる実力があれば挽回できるはずだと考えます。

ここで今回感じたのは線引きですね。どこでラインを引くか、迷惑といっても恐らくレベルがあり、あまりボールが相手に行っても自分にあってもバランスが取れないだけで、どのラインを普通とするかで迷惑レベルが変わる気がします。損害としての迷惑であっても、それが本来は利益を生み出すはずであったという線引きが甘かったという見方もできますし、仮に損害を出していない状況でも、線引きを厳しくすれば、通常レベルの利益追求しかしていないという見方もできます。よって、ラインによって評価の別れる曖昧なものであるという印象があります。

仕事が終わらないというのも、レベルの問題で、仕事が全部全て片付いて何もすることが無いというような状況は非常に考えづらいと思います。よってどこに線を置くか、そして優先順位の基準が、現実に即したものであれば、致命的な間違いにはならないと思うのですが、仮にその間違いが起こったとして、線引きと優先順位のどちらかもしくは両方の見込みの甘さから来ていると思います。よって、決して自分の実力を買いかぶらないで、安全なラインで勤務できるようにするというのが効果的なのではと思いました。

総括

・損害を出してしまう
・迷惑をかける
・信用を失う
・能力が無いと思われる
・社会人として失格
・荷が重い、一部出来ない

未来に対して上記の物を「そうならないで」と考える事は危険です。物事を失敗しないようにやるというのは一番緊張してしまう状態ですね。

これは仕事の変化、仕事量の変化等で、一時的に起こる事なので、上の文字にアレルギー反応が出ているとしたら、それはストレスになる可能性が高いということです。よって、一時的にそうなるのは問題ない。むしろ必ず起こることだと考えたほうが良さそうです。

損害を出してもいいし、迷惑かけていいし、信用失っていいし、能力ないと思われても、社会人として失格と思われても、できなくても、良いですよと。全部比較論の話なので、自分は例えばスティーブ・ジョブズのように振る舞うのも期待されるのも無理です。自分のできる事しかできないのですから。とんでもない事を突然できるようにはならないというような事ですね。

ただ、実際にこの線引きの思考が職場で活きるかは相当な訓練が必要そうな気がします。でも、少なくとも、私は理論上、上記のアイテムに対しての認識は変わったので、アレルギー状態からは脱していると思います。あとは実践あるのみですね。

認知療法ケースワーク:対人ストレス 自責感を乗り越える

本日の課題・本文

Aさんは30代男性、PC関連の仕事をしています。入社以降、同じ会社で勤務を続けています。20代の頃は問題なく働いていましたが、30代になって他の部署へ異動になると、移動先の上司から「ここができていない」「やるきがあるのか」と叱責されるようになりました。Aさんとしては一生懸命にやっているつもりでしたが、それは認めてもらえず繰り返し上司から「うそはつかなくていいから」などと否定されてしまいます。「高圧的で嫌な上司だ」と思う反面、上司に言われる通りミスも多い事から「私がミスをするから上司に怒られるんだ」「私が悪いんだ」と考えるようになりました。職場には5人同僚がいますが、同僚たちは「じょうしは職務能力の高い人だ」といっています。しかし、Aさんは上司にわからないことを質問しても「そんなことは常識だ」「いままでなにをやっていたんだ」としかられるだけでどうしていいか分からず、だんだん高圧的な上司に遭う事が怖くなり、自責感も強くなっていきました。すると、だんだんと気分も憂鬱になり朝起きれずに出勤できなくなりました。

Aさんの悪循環をまとめてみましょう


状況:他部署へ異動、十分に仕事は憶えられていない、上司からの叱責
思考:高圧的で嫌な上司だ、私がミスをするから、私が悪いんだ
気分:怖くなり、自責感も強く、憂鬱になり、
身体:朝起きれずに出勤できなくなり、

考え方の癖を検討してみる


「私が悪いんだ」→ 個人化・結論の飛躍
「高圧的で嫌な上司だ」→ レッテル貼り・感情に基づく推論

状況に即したか捉え方の検討


「私が悪いんだ」→ 慣れていないから、ミスが多い。新しい仕事の時は慣れるまでしょうがない。出来ない所でなくできたところをカウントすべき。
「高圧的で嫌な上司だ」→ 職務能力の高い上司から能力を高く見積もられているために指導のレベルが高い。(期待されているから指導が起こるというポジティブ評価と受け止めた)ある意味好意的。

対処方法の検討


スペックの高い上司の目標設定に引きずられて自己評価が下がってしまっている状態。→ 目標設定の失敗
新しい仕事に慣れる、できる事を増やすという、自己の目標設定をしっかり持つ。

上司の目標設定は長期的なものとして参考レベルに記憶するに留める。

残業が発生しているわけではないので、叱責さえ苦にならなければ実害はないはず。

感想


上司にこういう人、必ずいます。君主論的な手法を使って恐れられる上司を演じる人ですね。この手法を真に受けると辛いものがあります。世の中にはこういう人が一定の割合でいるので、このシチュエーションはほぼ遭遇すると考えて良いと思います。

対処方法はパーソナルに取らないという事と、上司から褒められるような事を目標にしない事だと思います。上司は怒るもので、信号は赤になるのと一緒ぐらいの気持ちで働きたいものです。

なぜ「ぼの」は抵抗なく認知行動療法に取り組めたか

今年になって認知行動療法を始めたわけですが、私は認知「行動」療法は初めてでしたが、「認知療法」の存在を知らなかった訳ではないのです。実は認知療法に関する本を2冊読んだことがありました。ところが、当時、私はその考え方に懐疑的であり、認知療法があまり有効であるという結論に達することはできませんでした。それに対し、今年始めた集団認知行動療法のクラスでは、全く抵抗なくその手法を吸収することが出来ました。

この違いはどこから来たのか不思議に思い、再び認知療法の本を読み返してみました。確かにそこに並んでいる「思考」に関する考え方の癖は集団認知行動療法で習ったものでした。「認知療法」の記述に関しては完全に一緒なのです。ただ、なぜか本を読んだだけでは納得できない理由がありました。

認知行動療法に納得できなかった理由


本を読んで、「ぼの」の認知療法の初めての印象は下記の二つです。

1.思考の歪みをパーソナルに取ってしまう

私が読んだ、認知療法の本の印象としては、「うつ病になった人は思考が歪んでしまっているので矯正しましょう」というようなスタンスで書かれていたのです。これを私はパーソナルに取りました。例えば本と私の会話が発生していたとしたら下記のようになります。

 本:あなたは歪んだ思考を持っています。
ぼの:いや、そんなことないと思いますけど。
 本:あなたの考え方はおかしいので矯正します。
ぼの:おかしくないのでやめてください。
 本:ほら、例えばこうですよ、おかしいでしょ?
ぼの:、、、

まず、歪みであるとか癖であるとかそういうことを言われると自分の事を攻撃されているようで反発したくなるのですね。これは個人化というか、中傷されているような気分になり、問題を個人的に取ってしまいます。

実際のところ、何回もトレーニングを積んだ後に自分の思考を振り返ると、私の思考はかなり歪んでいました。しかし、それを自分で認められるようになるまでには多くのステップを踏む必要がありました。これを、最初から自分の体験をもとに、自分が歪んでいるという認識までジャンプするのはかなり難易度が高いような気がします。

2.自分の考えが歪んでいると思えない

これは自分が歪んでいるという事を何らかの形で受け入れる事を決めたとします。それでも本人は正しいメンタルバランス感覚を失っているということに気付かない事があるのですね。

ぼの:私が歪んでいるのは認めますがどう歪んでいるんですか。
 本:あなたは右に20度ずれているので戻す必要がありますね。
ぼの:私はまっすぐに立ってるつもりですが。
 本:本来であれば20度戻すところが正しい所だと思いませんか。
ぼの:あなたがまっすぐ立ってないだけじゃないですか。
 本:一般的にはこれが正しい姿勢です。
ぼの:、、、

そもそも「思考」の歪みなんですね。自分の目を通して物事を見ている時点で、平衡感覚を失った頭で物事を考えているんです。あなたの考えが、「おかしい」と言われたところで、どうおかしいのかわからないのです。自分のバランス感覚が崩れてしまっていては、正しい平衡感覚に気づくことは非常に難しいのです。バランス感覚を取り戻すためには、「客観視」ができないといけないのですが、私の場合、平衡感覚を失った自分の目を通して物事を見ているので、そもそも客観視というものが何だったか分からなくなっていました。

この1.と2.の二つの抵抗要因を見事に取り払ってくれたのが「集団」認知行動療法でした。これは実際に集団認知行動療法自体がとてもうまくできているのか、それとも私が通っていた医療機関のカウンセラーの先生がとても優秀なのかは判りません。よってどの医療機関でも同様の授業が受けられるとは限りませんので、私の場合として書かせていただきます。

「ぼの」が集団認知行動療法でうつを治せた理由

1.考え方の癖について考えるのはかなり後ろのステージだった

最初の方のレクチャーでは、どちらかといったら「行動」についての話が多く、「思考」についてはかなり授業では後の方でした。よって私は行動の考え方に惹かれていったので、考え方の癖というのが私に該当するなどという事は知らずにこの療法を始めたのが結果的に良かったと思います。

それから、考え方の癖というのが一般的にありますというような話があるという事には言及がありましたが、あなたがそれですとは言われなかったのですね。なので、あまり自分が歪んでいるという事実を意識せずにこの療法に望めた事も大きかったと思います。

実際に自分が歪んでいるという話なのか?と思う頃には2.の練習を数多く積んでいたので納得して考えられたのです。

2.バランス感覚を養うための、他人の例を用いた練習が数多くあった

これは「他人の例」を「数多く」というのがミソです。私はとても性格が捻じ曲がっているので人の事を論破するのは大好きなのです。まず始めの課題は、他人事のケースワークを論破するエクササイズでした。間違い探しの要領で人のあらを探すのは非常に簡単だったのですね。他人事だから間違っていると指摘しやすいし、他人なので自分は一切傷つきません。

それから、「集団」でやっているので、他の人の考えやケースをいくつも見ることが出来ました。自分よりうつ志向の強い人がいたり、そうではなかったり、それを眺めているうちに段々と自分の立ち位置が見えてくるのですね。それから数多くのケースワークをこなしているうちに論破するのが得意になってきます。

最終的にはこの論破スキルを自分自身に向ける事で私は自分の歪みに気付くことが出来ましたが、慣れないうちは、自己分析はかなり難易度が高い物でした。自分が歪んでいるという認識ができたところで、自分の分析に入ると途端に全く人の例と同じようには分析ができず、「事実」と「思考」の振り分けさえままならないということがありました。

平衡感覚がある程度戻っても、自分の事になると主観的な判断をしてしまうことが多かったので、平衡感覚を失っている状態でいきなり自己分析をしても、なかなか認められないのは仕方がない事ではないかと思います。それから、この平衡感覚はある程度頻繁にやっていないと、抜けて行ってしまいます。定期的なクラスの受講は非常に効果的だと思います。

3.あなたはこう直しなさいというような矯正を強いられなかった

これは集団認知行動療法の特色であるのか、それともカウンセラーの先生の良い所であるのか判断がつかないのですが、基本的な姿勢として、あなたはどう思いますか?という投げかけを多くして頂けた先生でした。私の中核信念を発見していただいた時も、決してそれが間違っているとは先生から伝えられることはありませんでした。

よって、私は、2.で身に付けたスキルを自分に適応し、自己分析をすることで、自分の癖を他人から指摘されて修正するのではなく、自分の気づきによって自己修正できました。もちろん慣れてくれば、自分の考えを他の人に聞いてもらって、正しいかどうか聞いてみるというようなオープンなことも最終的にはできるようになっていきましたが。

自分で自分を修正できるようになるととても強いと思います。

「集団認知行動療法」の良い所

まずは費用が安いという事ですね。一対一ではなく、カウンセラーの先生一人に対して10人~程度ですので、先生の目が届きにくいかもしれません。よって、パーソナルにあまり斬り込まれたくない方、もしくは自分から進んで質問できる方には特にお勧めです。

それから、他の人のパターンをより多く見る機会があったということも良かったと思います。間違っている例を沢山見る事で、何がより状況に即しているか、いないかの判断材料が非常に豊富に手に入りました。それから、ブレインストーミングの量・バリエーションも数が多く手に入ります。ある一つの状況に対して、より多くの選択肢を学ぶ機会がありました。

このようにして私は自分自身が歪んでいるという事実に気付き、それを分析し、論破し、そして現在の心の平安を手に入れるに至りました。これは認知行動療法そのもの、導いてくださったカウンセラーの先生そして、一緒に学んだ同じ境遇の方々のお陰だと思っています。

認知療法ケースワーク:対人ストレス 自分の価値観を持つ

今日の課題・本文


今日は下記のAさんの状況(抄)を分析し、対策を考えました。

Aさんは30代のサラリーマンです。Aさんはある部署に異動、その部署では一番年下で、二人の先輩と仕事をすることになりました。先輩は「残業は年下の仕事だ」といって、来客対応や電話対応を全て押し付け、Aさんは自分の業務もあるため、毎日3~4時間の残業になります。先輩たちは定時であがります。先輩に大変さを伝えても分かってもらえず、Aさんは上司に相談すると、上司から電話対応は先輩が対応することになり、業務負担は公平になり、先輩もAさんも定時で帰れるようになりましたが、先輩から「本来はお前の仕事なのに困っている」とたびたびいわれます。そして、Aさんが席を外した時に、事務仕事を机に乱雑におかれます。そのため、席に戻ると散らかった机をみてげんなりします。また、先輩からは「お前のせいで負担が増えて大変だ」「あれもこれも雑用はお前の仕事なんだ」と上司のいない所で言われ続けます。そのことを上司に伝えると、「人間関係の問題には立ち入らない」と言われています。Aさんは不満と罪悪感で心がいっぱいです。

今回は、個人の価値観に沿って、解法を考えるという事でしたので、下記は私の考え方です。

Aさんの抱える問題をリストアップ

・先輩に対して罪悪感がある
・先輩とコミュニケーションができていない
・自分を責めている(個人化)

私が職場でどのように評価されたいか

・謙虚な
・フランク・フェア
・実力のある
・勤勉な

私が定年を迎えた時、どのような働きをする(能力・人柄)であったと言われたいか。

・役に立つ
・頼れる
・パワフル
・開拓できる
・話の分かる

わたしが人生を終えるときに親しい人からどんな人だったといわれたいか。

・熱量のある
・前向き

上の価値観を踏まえ、Aさんの問題の解決方法を検討する。

私が真っ先に考えたのは、フェアであるという価値観でした。よって、Aさんは先輩と粘り強く渡り合わず、上司に相談することになってしまったので、チクったみたいな状態になっています。それによって罪悪感を持ってしまっていると思います。ここは一つ先輩に詫びを入れて筋を通すことでその罪悪感を軽減することが必要ではと思います。

謝りによって先輩が良しとするかどうかは先輩の胆力が問われます。ここで許せない先輩であれば大した人間ではないので、こちらも割り切った対応ができると思います。一度筋を通したらこちらに非はないわけですから、罪悪感を感じるのはフェアでないので、その程度の人間であるという事で諦めるのが良いかと考えました。

一度謝ったものは、もはや悪びれず、「いつもすみません」「申し訳ないです」と残業を手伝ってくれる先輩をねぎらいつつ、淡々と仕事をこなしていけるようになりたいですね。嫌がらせは悪くとらずに「ちゃーんと置かないとだめですよー」と冗談で返します。年単位でこいつに嫌がらせをしても無駄だなと思わせる努力をしたいと思います。

総括

カウンセラーの先生から今回のまとめ

1.どんな状況でも自分のやりたい事、欲しいものが手に入るように努めましょう
2.「妨害する」ような人に会った時は下記が基本
    ・距離を置く
    ・評価をシャットアウト
    ・仕事以外のチャンネルを増やして、自分のなかでの比率を薄める

悪い所は諦め、良い所を探すのも一つの手でしょうとのことでした。
相手の振舞を変化させるのに期待するのは非常に難しく、年単位のストレスになる可能性があるため、自分の中でまずは処理が定石のようです。その後、自分の中での処理ができてから、相手の変化を気長に待つのは一つのアプローチになりそうです。

今回は、自分の価値観に照らし合わせてですので、一つの答えには行きつきませんでしたが、相手に対立はせずとも、屈しない姿勢というのは一考の価値があるなと思いました。

認知療法ケースワーク:対人ストレス 毎日注意ばかり

今日の課題・本文


今日は下記のAさんの状況(抄)をカテゴライズし、Aさんへのアドバイスを考えました。

Aさんは30代の事務員です。6年くらい働き部下も何人か受け持つようになりました。ある日、上司が異動して変更になりました。新しい上司はそれまで大丈夫だったことも注意をしていきます。上司は「部下のミスはお前の責任だ・と注意をしてきます。上司は細かいミスも全て報告しろと要求し、職務上問題が無い事でも注意してきます。Aさんは業務上の問題が無い事を説明しても「言い訳をするな」と上司はわかってくれません。そして、毎日注意を受け続けていると、Aさんは上司が嫌になり避けようとしますが、、上司は「君には期待しているから頑張って欲しい」といわれます。Aさんは上司から注意を受けないようにしますが、特に業務上の支障はなく、部下からも「何が問題なんですか?」と板挟みの状態です。毎日注意を受け続ける事で、Aさんは「自分が悪くて問題になっているんだ」と落ち込み職場に行くことが辛くなってきました。

5つのカテゴリーへのカテゴライズ


まず、状況・思考・気分・行動・身体の5つのカテゴリーにカテゴライズします。状況は、割とわかりやすいので説明は割愛します。

気分:「嫌になり」
行動:「避けようと」「注意を受けないよう」
思考:「自分が悪くて」「問題になっている」
身体:「辛くなって」

ここで思考へ考え方の癖がなんであるかを検討すると、圧倒的に「自分が悪くて」というのが問題であることが判ります。それから、私はそれに加え「問題になっている」というのは問題にばかり意識が向いていて、業務の遂行が出来ているという良い所に目が行っていないとも考えました。

「自分が悪くて」=個人化(自分自身への関連付け)・結論の飛躍
「問題になっている」=選択的・過小評価

ストレッサーに対する適切な見積もり


ここで上司に期待できることは何か、仕事に対して情熱的であるが、注意への反論はマズイということが分かります。まだ新任で仕事を心配するあまりに神経質になり過ぎているのではという推論もできます。

Aさんができる事+Aさんへのアドバイス


まず、私の個人的な意見では、評価軸を上司に奪われないという事が重要だと思いました。決して注意されているところは重要な部分ではないのですから、クリティカルな業務上のミスをしていないのであればそれは良しと割り切れるという事が必要ではと思います。

それから、グループでは、上司、部下、共に目標設定と評価基準を共有するためのコミュニケーションをとるべきだという話が出ました。これは現在の包括的な状況の把握が組織全体でされていないので、それが必要であるという話です。

他のグループから上司に対して敵対の立場を取る選択も様々出ましたが、これは避けたほうが良い(最終手段)とのことです。これからずっと一緒に働く人なのでその通りだと思います。

最後にカウンセラーの先生から重要なポイントの説明がありました、「感情に配慮」することでした。上司は新しい仕事に神経質になっている情熱的な人だとすると、上司に対しては「ご心配をおかけします」「大変ですよね」といった、感情的な対立をせずに穏やかな話し合いができると良いですねという事でした。

考えて見れば、一番人間性のある暖かな対応をしてみるという社会的な視点が抜け落ちていたことに気づきました。今日のエクササイズで、ストレス局面の様々な選択肢とその良し悪しが検討出来ました。

復職想定ケーススタディ

今日の認知行動療法のプログラムは復職を想定したケーススタディでした。

(事実)状況:
職場に復帰した
周りの人の身のこなしは自分よりも早く、こなす仕事量も多い。

(内)思考:
自分は役に立っていない
この先やっていけるか
気分:
落ち込み
不安
症状:
食欲低下
行動:
ますます無理をして働く
食事や休みを取らずに働く

状況2:
帰宅する
思考2:
(思考1)を反芻する
気分2:
(気分1と同様)
症状2:
不眠

上記の繰り返しの毎日により落ち込が維持され、生活リズムが狂い、再発

このケースをもとに自分の復職(私の場合転職)を想定して自分の場合ではどんなことが起こり得るか考える。

役割を考える

■休職中の役割とは何か

・リハビリ(リワークプログラムに参加)
・体調管理
・生活リズムの維持
・運動の継続

纏めると、「うつ病を治す」
+αとして資格勉強と転職

■復帰直後(転職直後)の役割とは何か

・体調管理
・生活リズムの維持
・運動の継続
・定時出社
・ストレス対処
・適宜、仕事量の調整の相談
・仕事を憶える

纏めると「再発防止」VS「仕事に慣れる」
この時必ず「再発防止」を優先すること
仕事は慣れずとも再発さえ防げば最終的には仕事に慣れるという目標に到達することは可能。ただし、再発してしまっては、仕事にそもそも通えないということになるので、逆の順序は不可。

■健康な労働者の役割は

・定時で出社する
・休みをきちんととる
・長期的な生活の維持
・業務で貢献する

安定した労働の供給(きちんと休みを取って長期的に貢献することが重要)

自己ケーススタディー

リワークを終えて新しい職場に戻った場合を想定し、周りの人は忙しく働いているが、初めての仕事なので一部の業務を軽減されて働いている。わからないことも多く、周りに質問したり、手伝ってもらうことも多い中、定刻になると、皆忙しく残業している中、自分だけが帰宅する。

この状況下で想定されうる否定的認知

・申し訳ない、あまり貢献できていない。
・他の人よりもスローな事で会社に損失が出ないか。

ここで疑われる考え方の癖は
・選択的注目 本当は多少は貢献できていることがある。
・課題解釈と過小評価 自分ができた仕事を評価していない。

この場合、自分の目標を具体化すると、

・スローであっても仕事を少しでも憶えて行けていれば良い。守備範囲の増加が見られれば良いとする。できない事がまだまだあってもOK 失敗してもOK
・定時が守れていれば良い。短時間勤務で安定するのは申し訳ないのではなく良い状態であると考えるべき。体調を崩すのが一番大きなダメージを与えるという可能性。

どのように考えると自信がつくか
・守備範囲が増えた事のリストアップ 項目増であればOKとする
・定時が守れたという出勤率で判断する

今日のお題は復職(転職)でした。ほかの人よりもできなくても早く帰らなければならない中、それを引き金に再発をしないためにどのような考え方をするのが有効かという事でした。

早く帰るという事は長期的に確実に貢献するという事なので、それが双方にとってベストであり、気にすることは無いということが分かります。又、どれだけ失敗しても、できない事が沢山あっても、何かできたことがあればそれは+であるという事に常に注意を払う必要があります。失敗に着目し続けずに自分のできた事に、より大きな注意を払うように気を付ける必要がありそうです。

抗うつ剤より再発率の低いうつ対策スキル「集団認知行動療法」まとめ

「集団認知行動療法」は私の理解によるとウツに主導権を渡さないスキルを習得する療法です。私の場合、このスキルが生活の中で効果を発揮し始めるのに、2時間のクラスを3回程度受講が必要でした。定着するには数週間〜数ヶ月必要です。よって正確性を期すため、療法をを短時間でお伝えするというよりかは、何となく雰囲気を感じて興味を持って頂けたらと思います。このうつに対抗するスキルを身につけたい方は認知行動療法を専門医療機関で受ける事をお勧めします。

ここでは私の集団認知行動療法のへの理解について参考程度に紹介致します。これは誤った解釈を私がしている場合、もしくは理解に私の主観が絡んでいる場合、必ずしも妥当でない場合があります。カウンセラーの先生や心理士の方と行う方が、より自分の状況に即したトレーニングができると思いますので、なるべく正規の医療機関や、書籍に基づいて行う事をお勧めします。
 
 
「ぼの」の理解している認知行動療法

手法:

序盤は、カウンセラーの先生が認知行動の仕組みについて説明します。講義形式で幾つかの大きな枠組みと見方を学びます。

そして、次はケーススタディとして、うつの人にありがちなケースを想定して、そのうつ状態がなぜ維持されているかについて理解します。実際にその状況を分析し、状況を大枠に当てはめてカテゴライズして、認知行動の仕組みがどの様に適応できるかについて学びます。ここでは正しいカテゴライズの仕方、分析の仕方をカウンセラーの先生のお手本を参考に学びます。

最後に、自分の状況をケーススタディーと同様に紙の上に書き出し、その状況を分析、カテゴライズし、それに対して自分がどの様にすれば、状況を改善できるかについて考え、どの様に認知行動の仕組みを適応するか戦略を立てます。そして、カウンセラーの先生より、分析が正しいか、適応の仕方が正しいか、見方に偏りが無いかなど指摘してもらい、実際の生活に役立てます。

ケーススタディー例

考え方:

認知行動療法とは、簡単に言うと、まずは「行動」を変える事でうつの負のサイクルを断ち切りましょうというものです。次に、「思考」の癖を見破ることでさらにうつサイクルを断ち切ると共に、再発を防ぐ、もしくは辛さを軽減しようとするものです。

うつ病はある特定の落ち込むサイクルに陥ってそこから抜け出せなくなっているパターンが多く存在していて、私のうつ症状も、大抵はそのパターンに当てはまる場合がとても多いです。特定の落ち込むサイクルに入ったまま出られなくなっている場合はそのサイクルを断ち切る必要があります。

これは少々辛いプロセスですが、そのサイクルがなぜ起こっているかを明確にするために、サイクルをきちんと特定して分析し、事実・思考・気分・体調・行動の5つのカテゴリーに分類することで整理をつけます。そして「行動」をまず変えることでそこからの脱却を図ります。

5種のカテゴリー分類

原則として人間はあらゆる状況において「行動」の選択肢を持っているという事です。うつサイクルに入ってしまっている場合は選択肢の幅が非常に狭くなるので事前に体調レベルにあった選択肢を用意できると良いと思います。

体調レベル別選択肢(私の場合)

よくある間違いとして選択肢の目標設定に失敗している場合があります。これができたら良いのにと思う選択肢のハードルが高すぎてそれに連続して失敗することでうつサイクルから抜けられないということがあります。

目標設定の失敗

これはその選択肢に失敗しているのではなく目標設定に失敗しているだけであるので、より状況、体調に即した目標設定ができるように気を付ける必要があります。

状況把握をする上で、事実・思考・気分・体調・行動の5つのカテゴリーに分類をしますが、これは少々コツが要ります。最初は事実とは何かという事だけでも十分判断が難しいと言えます。

事実と思考の分類練習

うつは単に右肩上がりに良くなってはいきません。気分の波を繰り返しながらよくなっていくので必ず落ち込みは発生します。その時の気分の落ち込みになるべく引きずられないようにすることが重要です。

とはいえ、「気分」「体調」はある程度は「事実」から自動的に発生するものなので変える事は難しいと言えるでしょう。そこで、「気分」「体調」によって自分の「行動」があまりバラバラになってしまわないよう、気を付ける必要があります。

体調に合わせた「行動」を起こせるようになってきたら、次は「思考」にメスを入れます。これはかなり高度なスキルであると言えます。「思考」には陥りやすい癖があり、大概の人はこれのどこかに陥っている事が予想されます。

陥りやすい思考の癖一覧

この癖を理解した上で、自分のうつサイクルで出てくる「思考」がどの癖によって起こっているか特定できることが必要です。そしてその思考がどの様にうつの引き金になっているかを把握できると良いでしょう。そして、その思考の妥当性を吟味し、より現実に即した思考に変換できるとうつ状態の改善や防止に役立ちます。

上記が大体の認知行動療法の流れになります。まだうまく実践できない所が沢山あるので、今後も練習を重ねていきたいと思っています。

うつ病は体調の波を経て段々と良くなります。アップダウンがあり、回復局面においても、うつ状態が大体の場合存在します。このうつ状態をいかにして軽減するか、また継続させないかが回復のキーポイントになります。その時、生活リズムを整えるというのが基本にあり、とても重要になるということがわかります。

気分が優れないために、生活リズムが乱れ、うつが維持されるというサイクルが多く、ケーススタディでは、生活リズムとうつ状態両方の改善を図るパターンをこなすことで、様々な状況に対して応用力を養うようになっています。

復職想定ケーススタディ

復職想定ケーススタディ
認知療法ケースワーク:対人ストレス 毎日注意ばかり
認知療法ケースワーク:対人ストレス 自分の価値観を持つ
認知療法ケースワーク:対人ストレス 自責感を乗り越える
認知療法ケースワーク:対人ストレス 現実と折り合いをつける

まとめ:

認知行動療法の「行動」は気分や体調に隷属しない行動の選択の(目標設定を失敗しない程度の)主導権を握る事、又、「認知」では思考の偏りを把握しより状況に即したメタ認知をする事であり、それぞれの認知・カテゴライズ・分析・対策スキル等を身に付けることで、うつ局面の打開や辛さの軽減を図るという内容でした。

私はこれを武器に、今日もうつ病と闘い、うつ病の息の根を止めるべく、これからもスキルアップを図ろうと思っています。私の説明だけではかなり理解不足や偏りがあると思いますので、興味がある方は正規の認知行動療法を受けられることをお勧めします。

 

認知行動療法/集団認知行動療法のリンク集

少ないですが、専門サイトの参考リンクを張り付けておきます。

慶應義塾大学認知行動療法研究会により編集された認知療法・認知行動療法マニュアル

せせらぎメンタルクリニック|精神科・心療内科-認知行動療法はどのような特徴を持つ治療法なのか

認知行動療法

フミナーズ-睡眠薬に代わる「認知行動療法」で、私が不眠治療に前向きになれたワケ

wikipedia:集団認知行動療法
集団認知行動療法の説明です。

wikipedia:認知行動療法
認知行動療法の説明です。私が習ったのはこんなに難しくないです。

うつ病「認知行動療法とは?」:きょうの健康
昨年の認知行動療法の放送の概略文です。

集団認知行動療法施設一覧:集団認知行動療法研究会
日本でCBGTを受けられる施設を紹介しているサイトです。

集団認知行動療法実践マニュアル
専門の本の紹介です、内容をより詳しく知りたい方に。
私は購入しましたがレビューできるほど読み込めていないので、後日レビューします。