今まで行動を気分に隷属的に振り回されないで、その時の体調レベルにあった選択肢によりサイクルを変える試みを行いました。これは「行動」の部分を選択的に変える戦略でした。
今回は「思考」にメスを入れます。人間は思考(考え方)に癖があります。この思考を矯正することで、悪いサイクルをさらに分断する事が可能となります。まずは、「事実」と「思考」を正確に分類できることが必要になります。
エクササイズ
この選択肢を事実と思考に分類しなさい。
1.上司は東京出身で40代の男性である
2.上司は気分の波があり声を荒げたり、不機嫌な表情をする
3.作成書類を上司に提出すると「だめだやり直せ」となる
4.上司は仕事に厳しい人だ
5.上司を怒らせないために、上司に注意されても「はい」と従う
6.上司を怒らせないように気を使っているのに怒るので怖い
7.書類を待っている職員から「書類まだ終わりませんか?」と言われる
8.私は上司からだけではなく、他の職員からもダメ社員と思われている
9.怖い上司と一緒に働くことは絶望的だ
10.上司は小学生のころからジャンプが好きで今も購読している
このうち1.3.5.7.10は事実であり、それ以外は思考(主観的な推測・評価・判断)ということになります。
2.は気分の波があるかどうかは自分の捉え方です。また、不機嫌な表情というのも客観的指標がないので、自分の捉え方ということで思考に分類されます。
4.はもちろん厳しいという曖昧な表現ですので捉え方です。
6.怖いというのは自分の感情です。
8.思われている可能性はありますが、自分の思考です。
9.も自分が絶望的と思っているという思考になります。
ここで重要なのは、事実は変えられませんが、思考は変えられるという事です。まず変えられる可能性があることはなんであるか、状況を把握することをメタ認知といい、これがきれいに分類できるだけで、戦略が定まり易くなります。