スキーマ(中核信念)とは
自動思考の根底にある考え方の事をスキーマといいます。様々な状況や場面でぱっと思いつく思考、イメージは自動思考であり、その根本にある考え方がスキーマです。
スキーマの実例
例えば、状況として友達に誘われたとします。ここで行くのが怖いと思った場合、それは自動思考です。行くのが怖いという事は表面的な思考で、その自動思考自体を解決するのは難しいと言えます。その根本にある考え方に辿りつくことで、根本から解決しやすくなります。
自動思考から、スキーマへ辿り着くには、自分が最も恐れている事は何かと考える必要があります。「怖い」のは何故か?何を恐れているか具体的に例を考えてみます。
行くのは怖い
→ 行ったらどうなる?
行って打ち解けられるか不安
→ うちとけられないとどうなる?
二度と行きたくなくなる
→ なぜ?
自分が雰囲気を台無しにするのではないか
→ もし、それが真実だとすると、自分にとって何を意味するか?
スキーマ:面白くないやつだと思われたくない
一番下の文がスキーマに近い考えになります。
基本的には、自動思考が起こった場合に、もしそれが真実だと仮定すると、
・それは自分自身にとって何を意味するか。
・なぜ、それが問題になるのか。
・次には何が起こるだろうか。
という事を考えていきます。
これは一人でやるのは最初は大変難しく、スキーマにたどり着くのにはスキルが必要です。又、十分に深く掘れているかの判断もなかなか難しいものがあります。私は、カウンセラーの先生にいつも助けていただいています。
自分のスキーマを実際に探す
今回は自分の日頃の不安を言葉にして、スキーマを探しました。
状況: 転職後の未来が良く描けない
思考: うつを再発したらどうしよう、体力が足りなかったら、仕事の〆を守れなかったら、動けなくなったらどうしよう
気分: 不安
仮に思考で考えた事が起きると仮定して、もしそれが起こったら何が起こるか。
・会社に迷惑をかける → するとどうなるか?
・役に立たないやつだと思われる → なぜそれが問題になるのか?
・首になってしまう → なぜそれが問題になるのか?
・体裁が悪い ・家族に心配をかける ・お金が尽きるかもしれない →それは何を意味するか?
首になるのは不名誉だと思っている。
会社・家族に心配をかけることは自分はいない方が良いと思っている。
お金が無くなってしまうとどうしようもないと思っている。
おそらく上記の考え方はスキーマに近いところまで掘り進められていると思います。
私のスキーマは正確に状況を反映しているか?
・首になったら不名誉であるか?
これ、最初は不名誉だと思っていたのですが、良く考えるとそんなことないですね。職場を変えるという事は起こりえる事ですよね。そんな事って世の中に一杯あると思うのです。就職の数だけ離職することもあると思います。それ、不名誉な事ではないですね。新たなスタートを切るためには必要な事です。頑張っただけ良いと思います。それを恐れて始めないことを恐れるべきではないかと思えてきました。首になったらそこは自分に合わなかった訳で、自分に合った職場が見つかるまで、また転職活動したら良いと思います。よって、このスキーマは自分の中で確信していましたが、今の確信度は0です。
・会社・家族に心配をかける自分はいない方が良いか?
心配のかけ方にもよりますが、一緒に過ごす中でお互いに迷惑をかけるという事は必ずあることだと思います。迷惑が全くない状態が続くというのは逆におかしいと思います。迷惑が多少なりあるのが常です。迷惑レベルにもよりますが、お互い助け合うのが家族です。仕事でもそうですね、お互いに迷惑をかける事は仕事でも必ずあります。ここで思い当たる思考の癖は、三つありました。
・「私」が心配をかける→ 個人化
→ その状況になったのは、組織の問題でもあるかもしれない。
・心配をかける→ 全か無か思考
→ 心配だけかけているわけではない。なにか良い影響もあるはず。
・いない方が良い → 結論の飛躍
よって、よくよく考えると、このスキーマの確信度はかなり下がりました。
・お金が無いと何もできない
これは明らかに正ではないですね。やり直しは何度でも効くはずです。
むしろ、恐れて始めなかったらそれこそ、何もできないということなので、始める事を恐れる理由にならないですね。
よって、これも確信度は0です。
私の転職に関する不安のスキーマ探しまとめ
最終的に私の自動思考はこの3つのスキーマによって起こっていました。しかし、その元の確信度をきちんと確かめてみると、全く正しくないスキーマを元に自動思考が起こっていたということになります。よって、このスキーマの確信度が減ったことで、私の自動思考は間違った論拠を元に考えているということがわかりましたので、転職の不安というのも冷静に考えれば正しくないということが分かります。
こうして、私の転職への不安はかなり軽減されることになりました。
身の回りに不安なことがあったら、それは何を根拠に不安になっているのか、自分で整理してみるととても役に立ちます。意外と状況に即していない、もしくは現実的でない事を当たり前のように信じていたりするので、ビックリしました。いろいろな局面でこれを使えるようにスキルアップしたいと思っています。