うつ病になると、やる気がない時に物事を進められる能力があるかないかで雲泥の差が生活に出ます。
よく試験前に勉強のモチベーションを上げる方法を考えたりすると思うのです。又はダイエットをする時に、運動するモチベーションを上げる為にウェアを買うというような話があります。自然とやる気が出てきたらそれは成功して、モチベーションが湧かなければ失敗する。そんな局面は生活でよくあると思います。
うつの人はしばしば気分に支配されます。私のうつ安定の局面では、デフォルトでやる気とかモチベーションというものはありません。食欲がなくなるのと同様に意欲や好奇心が無くなってしまいます。興味や意欲を失っている場合、それを何らかのきっかけで、健康な人のように回復させるのは不可能ではないですが、一般的には難しいと思います。
一方、私はやりたくない事を進めるのに直接的でかつ有効な方法を一つ持っています。この方法ではモチベーションの回復に依存しません。むしろ逆の考え方です。それは、自分がやりたいかどうか、尋ねないという方法です。待っていてもモチベーションは復活しないので待つだけ無駄であると切り捨てます。
それが必要であればモチベーションなどなくともやれば良いのです。それが自分の本当にやりたい事だろうかと考えない事です。私は、自分自身の乗り気に依存しないで物事を進める瞬間にこそ、真の意志の力が発揮されていると思います。
やりたい事ができるのは当たり前であって。それは意志強さというよりも情熱の火を絶やさない才能なのだと思います。うつになれば、ほぼ全ての活動に対し興味を失なうので、灰色の荒涼とした世界が心の中に広がります。
その状態を恐れない事です。それが普通の状態であると再定義すれば良いと思います。興味が無くなっても自分自身の生活の改善に必要な事はやり続ける。そこに勝ち目があります。戦略的に重要な事をやれば良いのです。それを繰り返せば、次第に身体は慣れ、段々事は容易になります。
やりたい瞬間を待つ暇があれば、気持ちが伴わずともやる。これこそが意志の真の強さです。結果できれば自信にもなります。そして生活リズムが安定してくれば、いつの間にかうつから抜けだし、ある日モチベーションも回復してくるのではと思います。