うつ症状の再発率が下がる?デイケアにおけるリワークプログラムの費用・内容・期間ガイド 


はじめに


私が通っているデイケアにおけるリワークプログラムについてまとめます。私はとても楽しく通えておりとてもおススメです。費用的な負担も軽く、うつ症状についての対策プログラムのクラスを取り放題です。私はうつ対策プログラムによって服薬治療がシンプルな構成になりました。体調が落ち着いている方は是非挑戦してみて下さい。

リワークのメリット


一日決まった時間に外に出るだけでも通勤訓練になりますし、何より生活のリズムを整えることが出来ます。人と話すことでストレスが解消にもなります。参加者はうつ症状についての理解がある人なので優しく接してもらえます。そして何よりも、家で悶々としているより楽しいです。同じ境遇の人から理解を得られたり、貴重な情報を得られることもしばしばです。私はリワークで自立支援や障害手帳についての情報等も手に入れる事が出来ました。

それからとても重要なのは、リワークプログラムの参加状況を踏まえた上のカウンセリングや主治医からのフィードバックを得られるというのがとても良いと思います。

費用


病院にもよると思いますが、私が通っているクリニックでは、1クラスワンコインです(1クラス500円)。自立支援の1割負担で午前・午後で合わせて1000円、3割負担だと3倍で一日当たり3000円と恐らく自立支援を取得しないと負担は大きいと思います。医療機関によってまちまちだと思うので、是非近くのクリニックのホームページ等で確認すると良いと思います。

内容


集団認知行動療法・運動療法・アサーション(主張訓練)・対人トレーニング・自律訓練法等があります。

集団認知行動療法は詳しくは別ページにて紹介しています。Evidence Based Practiceと言って研究によって抗うつ薬と同等かそれ以上に効果があるという事が証明されている療法になります。特徴としては再発率が1/2程度に下がるとも言われています。

運動療法は2時間の無酸素・有酸素運動を行います。アサーションでは職場での主張訓練のシミュレーションを行い周囲の助けを得たり、相談を適宜できるようになる事を目指します。対人トレーニングでは、参加者同士の対話を通して、対人に抵抗がある人がより円滑にコミュニケーションを取れるようなトレーニングを行います。自立訓練法ではマインドフルネスを学び入眠やリラクゼーションに効果が期待できます。

期間


私のクリニックでは週6日まで好きなクラスを取れます。3ヶ月~1年程度で卒業される方が多いように思います。それ以上通う事も出来ます。

過去一年半でのリワークの影響


私はいかにしてメンタル不全に陥り、そして克服したかについて下記にまとめてみました。私がリワークプログラムから学び取った事は何だったかという事について思いつく限りのことを書いてあります。もし、ご興味がありましたら、少しでも読んでいただけたら幸いです。

リワークで学んだ重要な事


治ると信じる事(寛解する)


純粋なうつ症状は「適切な服薬をしていれば」時間がかかりますが治っていきます。体調が悪いと単純なこの事実に気付きにくいので、実感するためには記録をつける事をお勧めします。一ヶ月単位で比べても解らないレベルでも、三ヶ月や年単位のスケールで見れば治っている事があります。

それから、焦らず、体調レベルにあったことを進める事が重要です。今できる事に集中するという事です。何もできないと思いがちですが、無理のない範囲で出来る事を見つけられると良いと思います。

”問題に圧倒されて、機会を見失ってはならない。”
~P.F.ドラッカー

判断が下せない時


体調が不安定で判断に鈍りが生じている場合、調薬が上手く行っているか確かめる必要があります。正しく考える事が出来ていない場合、考える事を先送りにするのも手です。

大抵の場合は、判断材料が足りていない場合が多いと思います。1人で同じ材料を手に考えても前に進まないので、人に会って話したり(話すだけでも整理になる)、レクチャー・イベントで情報を得たりという事も元気になればできると思います。また、映画を見たり、新しい本を読むというのも状況の打開に有効な場合もあるでしょう。

陥りやすい罠


体調が悪い時に限って、これが出来たらよいという行動の範囲が狭く、ハードルを上げ過ぎている場合があります。どんな行動ができたら成功なのかを具体的に書きだし、それが現実的に可能であるか、目標が高すぎないかを確かめるのが効果的です。

気分が悪い時はそれはそれでしょうがないので、気分が悪い時の過ごし方を決めて、やり過ごすというのも一つの手段でしょう。気分が悪い時に限って、いつもより厳しい見方で自分をチェックするのは止めましょう。

リワークでの気付き


CGBTの目標

“どんな境遇に居ても、不安にならず、心地良い、心が満たされている。”

これがCGBTの最終目標です。私は自分のストレッサーを打ち消すために様々な不安要素を取り除く必要がありました。

常に不安だった


問題は大なり小なり常に存在していて、その中で一番プライオリティ―の高い物が解決されるとその次へと焦点がシフトしていくに過ぎません。この三角形のヒエラルキー構造において、より下の部分の問題解決になればなるほど本当はどうでも良い事を心配しています。

よって、不安リストを再構築しないという事が重要になります。より上位の不安が解消されたら記録をきちんとすることで、現状が過去のある一点より良くなっている事を長い時間、噛み締められると良いと思います。

”適切な視野から悩みを観察すること 「2ヶ月もすれば、この悩みは解消しているだろう。それなのに、なぜ今それを苦にするのだ?”           
~ デール・カーネギー

”恐怖心を持たぬという事。もっとも無用な感情である。恐れたからと言って、その恐れている事柄の起こるのを防ぐことにはならず、かえって、これに対抗するのに必要な力をまず使い尽くすことになる。”            
~ ヒルティ

成功か、さもなくば死を


私の人生にはプランBを用意していませんでした。思い通りの人生や夢を叶えられるということはほぼ無いと思ったほうが自然です。思うようにいかないのが人生です。夢に破れても生きていくことが人生であり、人生とは失敗の連続です。

”全て世間の事柄は、君の欲するままに起これよ、と望んではならない。むしろ世に起こることは、その起こるがままに起これ、と願うがよい。そうすれば君は幸福であろう。”
~ヒルティ

失敗への恐怖


「失敗とは取り返しのつかない事であり、成す術がない」と思っていました。これは私のスキーマでした。しかし失敗はフォローすることで挽回が効きます。自分の中で失敗に対して偏った見方をしていたことに気が付きました。

それから、失敗(ミス)とは評価です。事象ではありません。失敗という概念を写真に取ることはできません。事象としては、恐らくは、想定外の事が起こっているとか、思い通りにいかない、手戻りが発生する、何かに気付く、間に合わないといった変化であって必ずしもネガティブな評価をする必要が無い事に気付きました。

変化が苦しいのは成長の証です。ポジティブな捉え方として、失敗(ミス)は成長のチャンス、上手くできたら自信になる、率先して失敗すれば他の人の気が楽、早く転べば後に有利、積極的にハードルを下げる、新しい事を学ぶ機会、人に聞ける機会、できないやつだと思わせる良い機会等があります。

失敗体験>成功体験

長いキャリアに置いて、事後処理次第では、失敗体験は成功体験に勝る効力があります。むしろ早く進んで失敗すべきという考え方もあります。

”絶えず成功をするということは、ただ臆病者にとってのみ必要である。いな、我々はさらに一歩を進めて、事柄そのものが重大な意義あるものである場合、最大の成功の秘密は不成功にある。” ~ヒルティ

”幸福と不幸とは右手と左手のようなものです。彼はその両方を使うのです。” 
~シエナの聖カタリナ

足りない


私は自分でない自分像を装っていました。人間はかくあるべきという完璧な自分像を掲げ、そうでない自分をストレスに感じていました。現実的でない目標設定を常にしていたため、自己受容が出来ていませんでした。

これは他人との比較によって引き起こされていました。他人と比べている時点で自分軸を見失っています。幸福度とは他人との比較で落ちるという事が指摘されています。自分なりのあり方というのを大切にでき、現在の自分で良いと思える事が自己受容に繋がります。現在自分でできる事をやれば充分です。

”私の経験によると、最も安全なやり方は、本来の自分でないものを装っている連中を、できるだけ早く首にすることである。”
~デールカーネギー

時間が足りない


私は欲張りでした。人は一度に一つしか物事を進められません。優先順位を考慮し、できない事は諦めるしかないのです。相対的に重要度が低い物を切捨てていくしか道はありません。

こんな単純な事にも私は気づかず、あれもこれもと貪欲になっていました。

”現在集中して取り組んでいる仕事以外の物にコミットしてはならない。現在の仕事を終わらせた後、改めて状況を検討し、優先すべき次の仕事を選ばなければならない。”
~ピーター・ドラッカー

貪欲


自分の望んでいるもの、欲しい物を全て手に入れる事。お金、仕事、家庭、健全な身体、これらすべてを。これは無理な相談です。すると、自分がもっているものを見直して、これに感謝すること、人生に多くを求めないことが必要になる事が分かります。(~出典:ダライ・ラマの心の育て方)

”人生を生き抜くたった一つの方法は、自分の持っているものの価値を見直し、自分が今できる事を見直すことだと分かってきたんです。私の場合、幸い脳には損傷を受けていなかったから、まだ自由に使える精神を持っている。”  
~クリストファー・リーブ

常に何かを欲していた


欲しい物は大なり小なり常に存在していて、その中で一番プライオリティ―の高い物が解決されるとその次へと焦点がシフトしていくに過ぎません。この三角形のヒエラルキー構造がより高次元の欲求になればなるほど本当はどうでも良い事を欲しています。

私はこの一番頂点にある欲求を押さえる事で、欲しい物のリストを再構築しない事を学びました。

カッコつけていた


私は自分の一番良い所を見せたいという思いに囚われていました。最高のパフォーマンスを求め、失敗は許されないと考え、そしてハードルをどんどん押し上げていました。その裏にあった思考は「カッコつけたい」です。裏読みをすれば、「恰好をつけていない自分に魅力はない」ということになります。

本来自己受容が出来ていれば、恰好をつけなくても魅力はあると思えるはずです。また、謙虚である事、多少見下されるくらいでちょうど良いという考えも有効です。

“清廉潔白に身を保つためには、世間に輝き出ようとする欲望を捨て、浅薄な虚栄心や、心を乱す名誉心、権勢欲を去らねばならぬ。“
~ヒルティ

患者の視点から考える寛解


患者の視点から考えた寛解とは以下のものが例として挙げられるそうです。リワークプログラム参加の結果、各項目も現在はだいたいクリア出来ていると思います。

・前向きな気持ちがあること✔
・いつもの自分だと感じられること✔
・仕事、家庭又は学校での機能が普段のレベルに戻ること✔
・感情をコントロール出来る事✔

転職後まず行う事


リワークを修了し、仕事に復帰後は下記の事を念頭に行動しようと思っています。どれもリワークプログラムで学んだ事です。

まずは、一応、常に撤退できる準備をしておこうと思います。体調が完全崩壊する場合、もしくは職場を変える必要がある場合等、複数の道を予め準備しておく予定です。又、予定を組む場合は多少体調が崩れた場合のシナリオも加味し、体調が崩れない事を前提にぎっちり予定を組まないようにしようと思います。

それから、頼れる人間関係のベースを日頃から作っておこうと思います。仕事以外の面で人間関係をある程度作っておくことで、もしもの時の相談がしやすいようにしようと思っています。

よく頭に入れておく事


精神的に追い込まれて辞める人は多いが、無能で辞めさせられる人はそんなにいないという事。頑張り過ぎて自滅しないように気を付けようと思っています。それから、大局観を見誤らない事も重要です。プロジェクトの失敗程度で、クビまで至りません。むしろプロジェクトの成功より、体調を気遣う事を忘れないようにしようと思います。又、再発防止>仕事の慣れです。安定的な労働力を提供出来ている限りOKだと考えるべきでしょう。

能力が足りてないと感じる時の対処


遅くとも着々と物事を進めていける人は役に立つと信じる事です。バカに徹する。自分を偽らない、装わない。凄い天才になる必要は無い。3年後仕事が遅い後輩を迷惑に思うだろうかというのも一つの考え方です。それから、断る、助けを求めるというのも重要なスキルです。

上司から高い目標を求められる場合


周囲と同じレベルの目標設定を自分に課さないというのが重要です。比較ではなく、スモールステップ・自己評価基準を低く抑え、出来高の加点方式で出来たところを自己評価できると良いと思います。それから、手の内を見せないというのも重要になると思います。無理に期待に応えてしまうと、次のハードルが上がる事を忘れてはいけません。

よく怒られる場合


叱責は、過剰に注意されているという事であって、背後には期待があるという事を忘れないようにしようと思います。上司は業績を上げたく、私もあげたいので双方の意図は一致しているはずです。なるべく、ねぎらい、同意を忘れないようにしたいと思います。

又、配慮が下手な場合は真に受けないのもポイントになると思います。言葉そのものでなくその真意を汲み取ることや、人はしばしば立場で物を言う事もあるということを常に覚えておこうと思います。

”不当な非難はしばしば偽装された賛辞であることを忘れてはならない。“ 
~デールカーネギー

”非難は賛辞より安全である。” 
~ナポレオンヒル

”死んだ犬を蹴飛ばす者はいない“ 

終わりに


以上で、リワークプログラムから得た学びの紹介は終わりです。最後に、苦しい時に支えになった言葉を紹介します。最後まで読んで頂きありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。

”ただ、勘違いしちゃいけないのは、
下に落ちるっていうことが、
進化してないということではないんですよ。
下に落ちるのも、
次に昇るための変化かもしれない。
昇るために、
落ちることが必要なこともある。”
-本田圭佑-

シャンビリ~パニックまで抗うつ薬サインバルタ/リフレックスの減薬・断薬の離脱症状をまとめる

はじめに


私はサインバルタを段階的に減薬して、完全に断薬したことがあります。色々な経緯で最終的に再びサインバルタを開始して、2018年12月現在は50㎎を服用しています。それに加えてリフレックスを45㎎併用していて、いわゆるカリフォルニアロケットと呼ばれる組み合わせです。サインバルタやリフレックスを飲まれている方は沢山いると思うのですが、私の知る限り、断薬記録というのはまとまった形で残されている事が少ないので、個人的な経験談として残しておきます。

あくまでも、双極性Ⅱ型のうつ症状を緩和するために飲んでいたという位置づけですので、詳しくはこのサイトの自己紹介をご参照下さい。

サインバルタ・リフレックスの飲み始め


私が初めてサインバルタを始めたのは2014年以前であったと記憶しています。ある友人の結婚式の二次会で私はサインバルタの増薬による吐き気を覚えましたので、確かだと思います。初期症状としては頭がぼーっとする、頭に血が上っている感じがする、吐き気、シャンシャン音が鳴る等色々な副作用が強く出ました。しかし2週間以内にそれは収まり、1ヵ月程度してから抗うつ薬としての安定感を徐々に発揮していったと思います。抗うつ剤といっても急に元気になったりはしませんでした。段々とうつ状態で出来なかったことが出来るようになってきたという感じです。

リフレックスはサインバルタ60㎎を服用していても、うつ症状が出てしまう事から、段々と量を増やしていきました。サインバルタの補強というような位置付けです。初期症状としては空腹感と傾眠傾向が強かったと記憶しています。リフレックスはあまりひどい副作用は出ませんでした。最大で30㎎まで最初の方は体調に合わせ服用していました。

サインバルタ・リフレックスの服薬歴


全体の服薬歴としては、2014年末~2016年11月までの2年間、60㎎のサインバルタを服用しており、2016年の11月~2017年5月まで(4度目の休職に伴い)徐々に減薬を進めました。そして、2017年5月~2018年9月まではサインバルタ無しの断薬期間を経て、2018年9月から再び20㎎からサインバルタを徐々に開始して現在に至ります。リフレックスの減薬と投薬はサインバルタとずらして行いました。解り易いように飲んでいた薬を下記に一覧表にしておきます。(注:サインバルタ・リフレックス以外の抗うつ薬・精神安定剤・眠剤についてはここでは書いておりません。)


2014年末

2年間サインバルタ60㎎・リフレックス0~30㎎
(以下S.バルタ・R.レックス)

2016年
12月S.バルタ50㎎・R.レックス30㎎
2017年
01月S.バルタ40㎎・R.レックス30㎎
02月S.バルタ30㎎・R.レックス30㎎
03月S.バルタ30㎎・R.レックス15㎎
04月S.バルタ20㎎・R.レックス15㎎
隔日S.バルタ20㎎・R.レックス15㎎
(パニック発作による薬の調整)
05月       R.レックス15㎎
06月       R.レックス15㎎
07月       R.レックス15㎎
08月       R.レックス15㎎
09月       R.レックス7.5㎎
10月
11月      (パニック発作3回)
12月      (パニック発作3回)
2018年
01月      (パニック発作1回)
02月      (パニック発作1回)
03月
04月       R.レックス7.5㎎
05月       R.レックス15㎎
06月       R.レックス15㎎
07月       R.レックス30㎎        
08月       R.レックス30㎎
09月S.バルタ20㎎・R.レックス45㎎
10月S.バルタ30㎎・R.レックス45㎎
11月S.バルタ40㎎・R.レックス45㎎
12月S.バルタ50㎎・R.レックス45㎎

シャンビリのサインバルタの断薬

主治医に相談の上、サインバルタの減薬は1ヵ月に20mgから始めようとしたのですが、最初に引いた20mgの量だけでも夜は悪夢を見続け、夜は恐怖感のジェットコースター状態でした。昼は不安感が増幅され、とてもじゃないけれど続けられないというような状況でした。よって、主治医に再び相談し、1ヵ月当たり10㎎ずつの速度で、少しずつ減薬を行っていきました。それでも辛い夜に耐える日々でした。とても辛かったのを憶えています。

私はサインバルタの飲み初めにかなり副作用が強く出ていたので、減薬するときも同様のシャンシャンいう音とビリビリする感覚(シャンビリ)の副作用と、それに加え、極度の不安や精神過敏な状態というのが顕著に出ました。特に私の主な症状であった罪悪感と向き合う夜には、それは胸に穴が開くような辛い思いがあり、正気を保てなくなるのではないかという焦燥感にかられました。

正直な感想としては、減薬がこんなに大変なのだったら2度とこの薬は飲むまいと私は思ったものです。しかし、皮肉なことに私はこの薬をもう一度飲むことになるのですが、、、

サインバルタ最後の20㎎

サインバルタ断薬で一番辛かったのは最後の20㎎を引く時です。サインバルタは最小量が20㎎カプセルしか存在していません。もちろんこれを割って飲むことが出来ないので、最後は20㎎を一気に引かないといけません。これがとても大変で、体調はかなり揺れていました。焦燥感が強く、しょっちゅう落ち着かない気分になっていて、少しどうかすると「気が触れてしまうのではないか」という強迫観念に襲われることもしばしばありました。(そんな事は決して起きないのですが、、、)

私がパニックアタックに見舞われたのはサインバルタの20mgを0にしてから4日後ぐらいでした。もともと焦燥感を強く感じていて、かつ不安感が強く安定しないと思っていた矢先の減薬でした、そもそも、そういう状況で減薬するのが間違いだったのですが、当時は早く抗うつ剤を引いてしまいたいという間違った思考をしていたので、早めの減薬に踏み切りました。全くお勧めしませんので真似をしないでください。

ただし、このパニック発作というのはもしかしたら、双極性障害の人特有の症状なのかもしれませんので、一概にサインバルタを断薬すると、パニック発作が起こるというわけではないと思います。

初めてのパニック発作

引き始め3日までは割と順調に行っていたのですが、その日私は気分が少し高揚していて、様々な考えが頭をめぐっていました。古い映画をツタヤで借りてきて見始めましたが、私はストーリーの割にかなり切羽詰まる感覚があり、映画に感情移入し過ぎている感覚がありました。いわゆる精神過敏な状態になっていたのだと思います。途中で、余りに気分が落ち着かないため、一度、お風呂に入って落ち着こうとしました。

脱衣所で服を脱いでお風呂場でシャワーを浴び始めた瞬間に、突然、呼吸が乱れ、お風呂の空間が突然狭くなったような気分になり、私はその場でパニックになりました。色々ありましたが最終的には、眠剤を飲めば良いかもしれないと思い、何とか眠剤の夜の分を早めに飲んで、パニックに耐えました。次の日はやはり不安定でしたが、パニックというほどでもなく、主治医にコンタクトを取り、パニックになった旨を伝え、その時はサインバルタを20mg頓服すればよいとの事、また、隔日で飲むようにするなどの今後の対策を練り、落ち着きました。

その後はかなり気を付けて薬のコントロールを行ったので、パニックになることは無くなり、無理な減薬は非常に危険だという事を思い知りました。ただし、再び書きますが、このパニック発作というのは、もしかしたら双極性障害の人特有の症状なのかもしれませんので、一概にサインバルタを断薬するとパニック発作が起こるというわけではないと思います。

リフレックスの減薬

減薬が大変だったサインバルタに対して、リフレックスの減薬にはこれといった症状がありませんでした。ただし、リフレックスを全部引いてしまってから、パニック発作の回数が増えています。これが純粋にリフレックスの減薬の結果であると結論付けられるかはわかりません。(他にも薬を飲んでいたので)ただし、リフレックスを多少でも飲んでいる間は一度もパニック発作に襲われたことはない事を考えると、何らかの因果関係があった可能性はあると思います。

リフレックス減薬後の躁状態

私はリフレックス断薬に成功した後、一時的な躁状態になりました。これは双極性障害特有の症状ですので、普通のうつ症状の方はあまり関係ない症状と言えると思います。私は1ヵ月程度、3時間~6時間睡眠程度で元気に動き回ってしまいました。私の通常の睡眠時間は7時間半です。かなり少ない睡眠時間で過活動を繰り返してしまい、気づかないうちにすごく疲弊してしまいました。それに加えて風邪もひいてしまい、ここから私のうつ症状が再び始まります。

リフレックス減薬後の鬱状態

うつ症状としては、作業能力の低下、気分障害、生活リズムの崩れがありました。本来であればこの頃は就職活動をしなければならなかったのですが、就職など2度とできないと思い込んでしまいました。

他にも生活の中でできる事が少なくなってしまい何もできない日々が続きました。気分は非常に辛く、心の中にラジオのノイズが入ってしまったように心がビリビリと裂けていくような感覚を持っていました。それから、焦燥感が強い日もあり、精神過敏な日は、イエモンのJAMのPVを見て気分が悪くなってしまうほど酷い日もありました。生活リズムは昼夜逆転こそしていないものの、朝は起きられずに昼頃起きる日々が続き、夜は寝付くことが難しい状況でした。

度重なるパニック発作もあり、(双極性特有の症状の可能性あり)私はこのままではもう人間らしい生活を送れることは一生できないだろうと思い始めます。うつ症状や気分の波は私は何とか我慢もできると思ったのですが、パニックだけは私はどうしても我慢できませんでした。そこで、私は副作用や禁断症状がでなかったリフレックスを再び使用することを考え始めます。

リフレックスを再び使用する

正直な話、リフレックスを再び使用することには抵抗がありました。しかし、貯金は確実に減っていき、働けない状態が続く中、生活リズムをもう一度安定させ、酷い気分から立ち直るためには、もはや抗うつ剤に頼るしか方法はありませんでした。この頃にはすでに集団認知行動療法もかなりマスター出来ており、認知のせいではなく、純粋に体調が悪いという状態が続いていたためです。調薬に全く頼ることなくうつ症状、気分障害、生活リズムの崩壊から自分を救う事は私にはできなかったのです。

そこで、断薬にそんなにてこずらなかったリフレックスだけなら開始しても、最悪また止める事も出来るだろうと飲むことを決意し、飲み始めたのです。実際飲み始めると、体調は少しずつですが回復に向かっていき、少しずつ諸症状が緩和されていきました。

サインバルタを再び使用する決意をする

リフレックスだけでは、体調の回復は思うように進みませんでした。うつ症状と、気分障害についてはリフレックスだけでもだいぶ改善しました。しかし、生活リズムだけは何故か整わなかったのです。生活リズムが整わなければ安定した就労を行う事が出来ません。このままでは貯金が先に尽きてしまう。気分障害はある程度、認知レベルの集団認知行動療法スキルで回避できるのですが、朝起きれないという事だけはどうにもできませんでした。

そこで、私は最終的に、サインバルタ無しでは社会人として立ち上がることはもはやできないと結論付けました。もう一度働くためであれば、もう2度と飲まないと決めていたサインバルタも飲むしか選択肢は残されていないと悟ったのです。この人生をもう一度生き抜くために私にとってサインバルタは無くてはならない。むしろサインバルタを飲む事さえ欠かさなければ、健康的な人生が自分に再び訪れる可能性があると。その可能性に賭けて、今後の人生をずっとサインバルタに依存する覚悟で飲むことを決意します。

2度目のサインバルタの服薬

サインバルタの副作用は2度目もキッチリありました。飲み始めから体調は大きく揺れ、うつ症状が増幅されたと感じるときすらありました。頭はボーっとし、消化器官に影響と、様々な身体症状が出ました。それでも2週間~1ヵ月程度でその揺れは収まり、(長かった!)心のベースラインがグッと押し上げられて安定していくのが1ヵ月程度で感じる事が出来るようになりました。

薬を増量するたびに体調を崩していましたが、やはり2週間以内に大体の症状は治まっていき、効果は1ヵ月後ぐらいに生活リズムの安定という形で、目に見えてきたと思います。サインバルタの効果はやはり絶大だと思います。サインバルタ50㎎にして、やっと定期的に朝起きれるようになりました。そして、私は2018年12月現在、安定した心と、生活リズムを取り戻しつつあります。

断薬の経験を踏まえた感想

お薬は飲まないでも認知行動療法等でうつ症状を治せるのであればその方が良いと思います。しかし、そもそも療法を受ける事ができない体調であるのならば、ある程度服薬に頼るのは仕方のない事だと思います。私は決して抗うつ剤が万能であるとは思いませんが、認知行動療法などの認知での対応レベルでどうしようもない症状は、服薬で調整することは非常に効果的です。上手く取り入れて、なるべく早い段階から認知スキルによって対応できれば良いと思います。

国によっては認知療法がうつ病のプライマルケアになっているそうです。服薬は二次的に行うという方針の国が存在するくらい、認知療法はメジャーになりつつあるので、服薬だけの方は認知療法になるべくシフトできると良いのではと個人的には思います。そして、服薬治療はなるべく最低限にするというのがセオリーになると思います。サインバルタには副作用や悪い面もありますが、私にとっては総合的に考えると良いお薬であると感じています。

私にとってサインバルタの悪い面と良い面と両方がありますが、私にとっては現状では飲むメリットが上回っているのです。10年後はどうか、それは分かりません。でも、今の私には必要なお薬です。薬を飲んででも人生を切り拓けるのであればそれで良いと思っています。生き残るための一つの手段です。

「ぼの」のうつ症状・睡眠・服薬・主な出来事・デイケアの記録一覧

うつ症状と闘っていると、現在の戦況はいったいどうなっているのだろう?良くなっているのか、悪くなっているのかよくわからないなんてことありませんか? 私は自分自身の体調をメタ認知するために一覧表を作っています。この一覧表には薬の種類・増減、睡眠時間、うつ症状が出た時間の長さ、印象に残っている主な出来事、デイケアの出席状況、パニックの回数、運動の量等を時系列に記載しています。

「ぼの」の時系列データ(リンク先はぼかしてあります)
 

これによって、一ヵ月前や一年前の自分と、現在の自分を数値化して客観的なデータとして比較できます。印象に残っている出来事を残すことによって、その時の気分も思い出せるようにしてあります。これによって自分が良くなっているのか悪くなっているのかの基準を自分の中に作ることに成功しています。

私にとって、服薬とは実験であり、服薬した結果私の体調がどうなったかという実験結果を確実に残しておくことはこの先の服薬を決める上でとても有効に働くものと考えています。私の体調のアウトプットを残しておくという事は非常に重要な事だと思います。というのは、人間は忘れていく生き物なので、記録なしには客観的な振り返りは非常に難しいと感じているからです。

これを日々つけていくのは大変なので、薬はお薬手帳を活用し、睡眠時間/うつ症状の時間/運動量はビジネス用時間計測アプリやカロリー計算アプリを使用し、主な出来事も一緒にスマホで書き溜めています。主治医受診前に毎回整理して、現状の自分をなるべく短時間で客観的に主治医に伝えられるようにしています。

年表を見ると、大まかに比べて、2年前より私は薬の量は減り、気分は改善傾向にあることが分かります。デイケアの回数は11月に過去最高をマークし、睡眠時間は安定し、週末は過眠傾向があり、うつ症状が出ている時間は減少しており、定期的な運動が出来ていて、日中の眠気がかなり強くでるものの、少しずつ再就職に向けての準備が整ってきています。

まだ寛解が出て就職活動ができるまでには時間がかかりそうですが、確実に前進しているのが目に見えるので、とても役に立っています。戦況が見える化できるという事はそれなりに対応策を練り易くなるのでとてもおススメですよ。今日は体調表の活用法についての思考でした。