服薬から認知行動療法へのシフト~うつ症状は右肩上がりには改善しない

薬もうつ症状も減ってきている現状を考えると、うつは確実に治るのではないかと予想されます。私はこの8年間治らないと思っていました。治るというのは「薬を飲まなくてもはやうつにならない」という事です。私の場合、うつになる前と全く同じ生活が戻ってきています。そして、私はウツになる前よりも確実に人間としてうたれ強くなっている事に気が付きます。

うつを治すためには、まず、うつが起こる仕組みを把握する必要があります。私の場合過去7年間は服薬治療しかしていなかったので、応急処置というような事しかできていませんでした。自分のスキルアップは7年間手つかずでした。この服薬以外のうつに対する対抗手段を多く持ち得るということが、うつの根本解決に結びつきます。

服薬はある程度必要ですが、全面的に服薬に頼っていては私のようにうつは長期化します。一時的に薬で状態が安定しているのであれば、なるべく服薬以外のうつに対抗する手段の開拓に移行できると良いと思います。調子が安定するようであれば、少しずつ薬を減らしていけると良いと思います。

自分のうつは絶対に治らない、もしくは現状治っているように感じられない場合もあると思います。この半年の間でも私自身そのように感じる事もありました。そんな時によくありがちなのはうつのアップダウンの中で、ダウンの時の印象があまりにも強く残っているため、全体として治っていないのではないかと思ってしまう事があります。体調が全体的に上がっているという事を客観的に判断するためには、記録をつける事が有効な場合があります。

うつは私の経験では右肩上がりには上がっていきません。大きな波の中で段々と上向いていくというイメージです。このアップダウンのアップの状態でいかにダウンに対しての対抗手段を多く用意し、ウツの波に備えられるかがキーポイントになっていると感じます。うつに完全にやられてしまっている局面から抜け出せない場合、私の場合に突破口になるのは状況の整理・分析とそれに対してどの様な選択肢を今まで考えてきたかという事です。

もちろん基本となる生活リズムに支障が出ている場合、自分の行動がうつの気分によってバラバラになっていないかということも考える必要があります。うつサイクルが維持されている理由を明らかにして、そのサイクルを良い方に向けられる行動をとっていけば、確実に状態は良くなっていくと思います。

命の危険がある場合、または生活リズムがどうしても改善されない場合は一時的に服薬によって小康状態を得るのも一つの手段になるかとは思います。ただし、できる限り、「行動」の選択肢を増やす事や、自分の「思考」の癖等を把握することで、気分を良くしたり、うつを未然に防げるとうつの根本的解決に近づいていくと思います。無理は禁物ですが、徐々に服薬からシフトしていけると良いですね。

なんにしても、うつはが治ってきている人間が1人ここにいる事が希望になれば幸いです。私が治ってきているのですから、きっと治ると思います。

認知療法ケースワーク:対人ストレス 自分の価値観を持つ

今日の課題・本文


今日は下記のAさんの状況(抄)を分析し、対策を考えました。

Aさんは30代のサラリーマンです。Aさんはある部署に異動、その部署では一番年下で、二人の先輩と仕事をすることになりました。先輩は「残業は年下の仕事だ」といって、来客対応や電話対応を全て押し付け、Aさんは自分の業務もあるため、毎日3~4時間の残業になります。先輩たちは定時であがります。先輩に大変さを伝えても分かってもらえず、Aさんは上司に相談すると、上司から電話対応は先輩が対応することになり、業務負担は公平になり、先輩もAさんも定時で帰れるようになりましたが、先輩から「本来はお前の仕事なのに困っている」とたびたびいわれます。そして、Aさんが席を外した時に、事務仕事を机に乱雑におかれます。そのため、席に戻ると散らかった机をみてげんなりします。また、先輩からは「お前のせいで負担が増えて大変だ」「あれもこれも雑用はお前の仕事なんだ」と上司のいない所で言われ続けます。そのことを上司に伝えると、「人間関係の問題には立ち入らない」と言われています。Aさんは不満と罪悪感で心がいっぱいです。

今回は、個人の価値観に沿って、解法を考えるという事でしたので、下記は私の考え方です。

Aさんの抱える問題をリストアップ

・先輩に対して罪悪感がある
・先輩とコミュニケーションができていない
・自分を責めている(個人化)

私が職場でどのように評価されたいか

・謙虚な
・フランク・フェア
・実力のある
・勤勉な

私が定年を迎えた時、どのような働きをする(能力・人柄)であったと言われたいか。

・役に立つ
・頼れる
・パワフル
・開拓できる
・話の分かる

わたしが人生を終えるときに親しい人からどんな人だったといわれたいか。

・熱量のある
・前向き

上の価値観を踏まえ、Aさんの問題の解決方法を検討する。

私が真っ先に考えたのは、フェアであるという価値観でした。よって、Aさんは先輩と粘り強く渡り合わず、上司に相談することになってしまったので、チクったみたいな状態になっています。それによって罪悪感を持ってしまっていると思います。ここは一つ先輩に詫びを入れて筋を通すことでその罪悪感を軽減することが必要ではと思います。

謝りによって先輩が良しとするかどうかは先輩の胆力が問われます。ここで許せない先輩であれば大した人間ではないので、こちらも割り切った対応ができると思います。一度筋を通したらこちらに非はないわけですから、罪悪感を感じるのはフェアでないので、その程度の人間であるという事で諦めるのが良いかと考えました。

一度謝ったものは、もはや悪びれず、「いつもすみません」「申し訳ないです」と残業を手伝ってくれる先輩をねぎらいつつ、淡々と仕事をこなしていけるようになりたいですね。嫌がらせは悪くとらずに「ちゃーんと置かないとだめですよー」と冗談で返します。年単位でこいつに嫌がらせをしても無駄だなと思わせる努力をしたいと思います。

総括

カウンセラーの先生から今回のまとめ

1.どんな状況でも自分のやりたい事、欲しいものが手に入るように努めましょう
2.「妨害する」ような人に会った時は下記が基本
    ・距離を置く
    ・評価をシャットアウト
    ・仕事以外のチャンネルを増やして、自分のなかでの比率を薄める

悪い所は諦め、良い所を探すのも一つの手でしょうとのことでした。
相手の振舞を変化させるのに期待するのは非常に難しく、年単位のストレスになる可能性があるため、自分の中でまずは処理が定石のようです。その後、自分の中での処理ができてから、相手の変化を気長に待つのは一つのアプローチになりそうです。

今回は、自分の価値観に照らし合わせてですので、一つの答えには行きつきませんでしたが、相手に対立はせずとも、屈しない姿勢というのは一考の価値があるなと思いました。

うつ病に至る悪循環とその認知による改善方法

出典:「日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅱ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害」

うつ病に至る大きな流れは上のダイアグラムのようになるそうです。ストレッサーが重なると脳機能に変化が生じ、睡眠不足等の生活リズムに影響が出ます。それと同時に、物事の見方が否定的になるので(陥りやすい思考)一人で抱え込んだり、普段ストレスに感じない事までストレスと感じてしまい、さらにストレッサーが増えていく、、、という悪循環です。

これの悪循環を断ち切るには様々な方法がありますが、主には(青)で書かれている部分を断ち切る(ⅹマーク)事で、鬱のサイクルを弱めることができます。ストレッサーに対しては根本的な問題解決。生活リズムに影響する脳機能の変化には服薬治療。気分的な脳機能の変化には、楽しい活動・選択肢を用意。否定的な見方には、より状況に即した捉え方。サポートが不充分である場合、主張訓練。といったように、様々なアプローチがあります。

このウェブサイトで取り上げるのは、楽しい活動・選択肢/レパートリーを増やすという「行動」に関することと、物事の見方をより状況に即したものとする、「思考」(正しいバランス感覚の認知)についてです。

うつ病を治すポイントとしては

1.生活のリズムを整える(睡眠、栄養、運動、休息)
2.楽しいい活動・選択肢を増やし気晴らしをする。
3.ストレスの理解と対策(状況に即した捉え方、問題解決、相談スキル)

この三つに大別されるそうですが、私は、1.2.については「行動」を用いて状況の改善を図り、3.については「思考」を分析し(考え方の癖)を見破ることで対策しています。