中核信念・スキーマを探して

人間の行動原理というのがありまして、それはその人が一番恐れている事は何かみたいなことと私は理解しています。人は最終的に突き詰めていくと論理的に破綻している行動原理を事実のように信じ込んでしまっている場合があるようです。

面接の緊張をどうやったらほぐせるか、これを認知行動療法でどうにかできないかと相談するつもりで療法のクラスに参加しました。転職活動をしているときに、何も準備もなくある企業に応募してしまい、資格勉強の真っ最中に履歴書も職務経歴書もポートフォリオも何もないのに面接を取り付けてしまったという話をしました。

この日のお題は「行動原理」でした。あなたが恐れている事は何ですか?それはあなたにとってどういう意味ですか、そうなると最悪どうなるのですか、一番恐れていることは何ですか、というようなことを繰り返して、その一番底にあるものが「行動原理」と言われるようです。

私は面接に失敗することを恐れ、カウンセラーの先生に相談しました。すると失敗すると何がいけないのですかとたたみかけられ、解らないけれども失敗という文字になにかとてつもなくアレルギーを感じるというような事を話しました、それはなぜですか、特定の失敗した経験に基づくのか、失敗によって評価が下がるせいですか、といろいろ話をしましたが、カウンセラーの先生は納得していないようでした、より深い質問を受けるうちに私の口から出た言葉は「失敗してしまったらなす術がない」という言葉でした。すると、カウンセラーの先生から「あなたの行動原理はそれです」と言われ、それが正しいかよく考えてみて下さいとという言葉を後に、先生は立ち去ってしまいました。

私は自分でその言葉がしっくりきていたので、正しいかと言われてもピンときませんでした。しかし、しばらく「成す術がない」という字面を眺めていると、それがいかに退廃的で、論理的な根拠に基づいていないかということに驚きました。こんな酷い考えが自分の中でまことしやかに語られていたかと思うと寒気がします。この「成す術がない」という言葉を論理的に正しくできるのかはかなり難易度が高いですね。人間死んでしまう以外に、「成す術がない」という状況に置かれることはないのではという事に段々と気が付いてきました。

すると私が失敗を恐れていた理由は「成す術が無い」からであったので、成す術があるのであれば、失敗を恐れる必要がなくなったのです。人間は失敗して良いのですね。人間は失敗して成長していくのでどんどん積極的に失敗すればいいはずなんですね。それが本当の意味での失敗になるかは失敗後の対処によるというのはまた別のクラスのお題でしたが。

こうして、私の行動原理が暴かれたことによって失敗への恐れが大分軽減されて、緊張が解けました。自分を面接で失敗なしに良く見せようと考えたのがいけないことでした。面接は本当の自分を知ってもらうためにあるので、そこで見栄を張って自分を大きく見せても、後々辛いだけです。よって、自然体で受けるという事を意識して面接に臨むことが出来ました。