鬼のような通学

とうとう体調があまり芳しくない中、予備校に通学する日が来てしまいました。初日は力学の全範囲を一日で解き切るという鬼のようなメニューでした。絶望的な気持ちで、3,4時間通しで、問題に取り組みましたが、3/4程度しか終わらずに次の日に持ち越すことに決めました。

この日のその決断は正しい物でした。無理して夜遅くまで問題を解かなくて良かったと思っています。次の日に問題を見ると、思ったほど難しくないということが分かり、又、初日に比べると体調も少し改善していたため、より澄んだ心で問題に当たることが出来ました。これは非常に重要な教訓を含んでいます。難しい問題に直面した時に、ごり押しせず、きちんと休息をとって体制を立て直してから事に当たるということです。

私は前職では徹夜をしたりしていましたが、これは長い目で見ると非常に効率が悪く、危険な行為であったと思います。きちんと休養をとって安定した労働をするというのがとても重要な事ですね。

そうして、私の通学が始まったわけですが、始まった日は本当に辛くて、これを一ヵ月続けるという事はとても無理に思えました。しかし、最終的に私はこれをやり通すことになります。人間には適応力があるようです。どんなに辛い局面でも人間は慣れていきます。一ヵ月本当に辛かったのですが、段々とペースに順応していき、辛くとも毎週、同じように問題をこなせるようになりました。

これも私の中で、一つの自信になりました。私は辛い仕事であっても、繰り返しトライすることで慣れる事ができるという事です。もちろん、それが人間の活動限界を逸脱していないということは重要ですが、、、

中核信念・スキーマを探して

人間の行動原理というのがありまして、それはその人が一番恐れている事は何かみたいなことと私は理解しています。人は最終的に突き詰めていくと論理的に破綻している行動原理を事実のように信じ込んでしまっている場合があるようです。

面接の緊張をどうやったらほぐせるか、これを認知行動療法でどうにかできないかと相談するつもりで療法のクラスに参加しました。転職活動をしているときに、何も準備もなくある企業に応募してしまい、資格勉強の真っ最中に履歴書も職務経歴書もポートフォリオも何もないのに面接を取り付けてしまったという話をしました。

この日のお題は「行動原理」でした。あなたが恐れている事は何ですか?それはあなたにとってどういう意味ですか、そうなると最悪どうなるのですか、一番恐れていることは何ですか、というようなことを繰り返して、その一番底にあるものが「行動原理」と言われるようです。

私は面接に失敗することを恐れ、カウンセラーの先生に相談しました。すると失敗すると何がいけないのですかとたたみかけられ、解らないけれども失敗という文字になにかとてつもなくアレルギーを感じるというような事を話しました、それはなぜですか、特定の失敗した経験に基づくのか、失敗によって評価が下がるせいですか、といろいろ話をしましたが、カウンセラーの先生は納得していないようでした、より深い質問を受けるうちに私の口から出た言葉は「失敗してしまったらなす術がない」という言葉でした。すると、カウンセラーの先生から「あなたの行動原理はそれです」と言われ、それが正しいかよく考えてみて下さいとという言葉を後に、先生は立ち去ってしまいました。

私は自分でその言葉がしっくりきていたので、正しいかと言われてもピンときませんでした。しかし、しばらく「成す術がない」という字面を眺めていると、それがいかに退廃的で、論理的な根拠に基づいていないかということに驚きました。こんな酷い考えが自分の中でまことしやかに語られていたかと思うと寒気がします。この「成す術がない」という言葉を論理的に正しくできるのかはかなり難易度が高いですね。人間死んでしまう以外に、「成す術がない」という状況に置かれることはないのではという事に段々と気が付いてきました。

すると私が失敗を恐れていた理由は「成す術が無い」からであったので、成す術があるのであれば、失敗を恐れる必要がなくなったのです。人間は失敗して良いのですね。人間は失敗して成長していくのでどんどん積極的に失敗すればいいはずなんですね。それが本当の意味での失敗になるかは失敗後の対処によるというのはまた別のクラスのお題でしたが。

こうして、私の行動原理が暴かれたことによって失敗への恐れが大分軽減されて、緊張が解けました。自分を面接で失敗なしに良く見せようと考えたのがいけないことでした。面接は本当の自分を知ってもらうためにあるので、そこで見栄を張って自分を大きく見せても、後々辛いだけです。よって、自然体で受けるという事を意識して面接に臨むことが出来ました。

緊張性の胃痛に襲われる

何故胃痛になったかといいますと、転職活動を並行してしようとしていたのですが、まだ書類も業界勉強も準備もなにも用意が無いまま面接を申し込んでしまいました。しかも、次の日に企業から連絡が来ていて面接が決まってしまったのです。

これにより私の緊張感は20000%ぐらいに跳ね上がり、何も手につかなくなってしまいました。心臓と胃が口から出てしまうのではないかというぐらいの緊張感で、勉強どころじゃないという常態になってしまったのです。

体調が悪いのに、ウツの波もあるのに、勉強もしなきゃいけないのに、朝起きれないのに、働くことなんて全く考えられないのに、なぜ面接の申し込みをしたのか???もう、目の前が真っ暗でした。そこで、私は準備をある程度進めなければということで焦って、面接の練習を想像したり、業界研究について自分がどれほどの優位性を持っているかという事を考え始め、そして、どうやってこの面接を上手く切り抜ける抜けるかということに力を使い始めました。

今から考えると「上手く切り抜ける」という考えがいけなかったのですが、当時の自分は「失敗してはいけない」という固定観念に取りつかれていました。そんな中私を救ってくれたのは、やはり、認知行動療法のカウンセラーの先生でした。