私が初めて認知行動療法のクラスを受けた時のテーマは、”「気分」に合わせた選択肢を用意する”でした。私はいつもウツの気分で朝だるかったりして起きられない事を挙げ、そういう場合にどうしたら良いかをカウンセラーの先生に尋ねました。答えは明確でした。
先生の口から出た言葉を正確に記憶はしていませんが、趣旨は、”ウツの気分の隷従にならない。そして、生活リズムの完全崩壊を許容しない”という考えでした。
それは私にとっては、全く新しい物でした。頭を殴られたような衝撃を受けました。
私は今までウツの気分によって自分の行動を左右されていました。体調によって自分がしたいかしたくないかということに気を取られ過ぎていました。カウンセラーの先生はそんなことは関係ないと。ウツの気分が発生した場合、ウツに隷属的でない「行動」を選択する自由が人間にはあると、ウツであっても選択肢に幅があるという事を教えてくれました。
また、ウツがやってくると私は何もできなくなり、生活リズムは乱れてしまっていましたが、それも許さないという姿勢に驚きました。
この先の詳しい内容は認知行動療法のページで紹介しますが、この最初のたった一回のクラスだけで、私は認知行動療法に心を奪われました。
ウツに隷属的でない「行動」の選択権、ウツに自分の主導権を握られてしまっているという見方は、過去8年間全く考えもしなかったコンセプトであり、その物事の考え方にとてつもない可能性と魅力を感じたのです。
それからほぼ毎週、私は他の予定が許す限り、体調に関係なく、認知行動療法に通い始めました。