朝起きれないと色々困る

社会とのつながりの喪失を感じる中で、それに追い打ちをかけるように問題が浮上します。朝起きれないという事です。

2ヶ月もてきとうな生活を送っていると、夜型になりがちで、朝は寝て、昼頃起きて、夜中に寝るという生活スタイルが常態化してしまいます。

薬の関係で夜の寝つきが悪くなっていた私は見事に朝起きれない生活リズムになってしまっていました。

こうなると、チャンネルの減少によってイライラはたまる一方、社会とのつながりも失い、朝起きる事もままならず、八方ふさがりのような状態になってしまいます。

しかし、外に出るには何か理由付けが必要でしたし、自分としても何か頑張れる目標が欲しく、そこで考えたのは資格取得のための勉強でした。

外で、資格の勉強をすることで、社会へ戻る第一歩にしたいと考えました。参考書をもって外へ行き、勉強をして帰ってくる。これを日課にしようと決めました。

図書館

社会とのつながりの喪失

身支度をして外に出ると、ビジネスライクにキビキビとした身のこなしをしている人を見て、ハッとします。

自分からは失われてしまった社会人としての振舞いをそこに発見してしまい、自分はもはや社会人としてビジネスのシーンに戻ることは不可能なのではないかと思うようになりました。

ただ外に出る事でさえおっくうになってしまい身支度もきちんとできずに外に出てしまった自分を思うと、なんて自分は何もできていないのだろうと思いました。

そして、人の目が気になります。自分が変な事をしていないだろうか、変な恰好をしていないか自信が無くなっているため、人の目が気になり、外にいるだけで疲れます。

そして、体力もそんなにないので、駅前まで歩いてどこに行ったらいいのかわからずにブラブラしているうちに消耗してしまい、アパートに帰ってしまうといった具合です。

チャンネルを増やそうと外に出たわけですが、現実は簡単ではなく、行く場所がわからず、気力と体力を使い果たしてアパートに戻ってしまうということで、自分は社会とのつながりを失ったと思うようになりました。

本来であれば、2ヶ月寝てばっかりいたのが、外に出れるようになった、とポジティブに考えるべきなのでしょう。しかし、病気になっていると、なかなかそういう客観的な見方はできません。

朝起きれない

身支度ができない

新たにチャンネルを作ろうと思ったわけですが、そこに立ちはだかる壁がありました。それは身支度ができないという事です。

しばらく綺麗な服を着て外出するということをしていない事に成れてしまうと、身支度をきちんとして、外に出るというのがとてもおっくうになってしまうのです。

例えば、起きたらきちんと朝食を取って、歯を磨き、シャワーを浴び、髭を剃って、髪の毛をどうにかして、服を着て、鞄を持って外に出るという普段何気なくやっていた一連の作業がとても辛く長い道のりに思えます。

良く考えれば、この二か月で、歯を磨くだけでも大分さぼっていたこともあり、寝間着で髪はボサボサで外に出るという事をしていたため、どんな服を着るかなんてことも全く頭から抜け落ちてしまっています。

服を着てみると、太ってしまっていて、着れないとか、服が古くなっているとかいろいろな事に気づき、外に出るところまでなかなかいきません。

この身支度をするという事がこんなにも大変なのか、と思う程、一度引きこもってしまった私にとって社会への復帰とは遠い道のりに思えました。

それでも、完璧に身支度ができなくとも、とりあえず、外に出始めたわけです。最初はどこに行ったら良いのかも判りませんでした。

社会とのつながりの喪失

チャンネル不足

チャンネル不足というのは何の話かといいますと、人間は生存する上で複数のチャンネルに依存できる事が安心感につながるという話があるそうです。

例えばアフリカで上水のインフラが存在しない場合、その水を井戸からだけに頼っていると、井戸が枯れてしまった際に生活ができなくなります。飲み水という点で一つのチャンネルしか存在しない場合の例です。

人間が安心して生活するためには、一つのチャンネルに依存せずに複数のチャンネルに頼る方が安心感につながり快適に過ごせるのですが、これは例えば会話にもあてはまります。

いままで、仕事をやめるまでは私は会話チャンネルとして、同僚、家族、友人等いろいろなチャンネルが存在しました。しかし、その割合は仕事に従事している時間が長いため、仕事での会話が9割で残りが1割といった具合にかなり偏っていました。

仕事をやめてしまうと、残りの家族、友人チャンネル、今まででは10%しかなかったチャンネルが自分の全チャンネルを占めるようになってしまいます。

しかも、社会から離脱しかけている自分を思いやってか、避けているのかは分かりませんが友人チャンネルもかなり減少しますし、避けていないのにもかかわらず疑心暗鬼になってしまい、自分からチャンネルを切ってしまう例も後を絶ちませんでした。

又、家族チャンネルもうつで仕事やめましたという話だけではあまり健康的な会話が生まれず、難しくなります。

結果どうなるかというと、自分の会話チャンネルがとても少ない中それが100%を占め、そして、あまり健康的でない会話ばかりがズームアップされてしまうという現象が起きます。

ストレスを爆発させてしまう理由が、やっとこのチャンネル不足という認識ができるようになって初めて引き籠るということの危険性を認識できました。

そこで始めて、外に出て新たなチャンネルを作らなくてはという事に気づいたわけです。

身支度ができない