般若心経を読む

仕事をやめた当時は本が読めませんでした。全く文字が目に入らなかったのです。集中もできませんでしたし、文字を見ていても内容が全く頭に入ってこないのですぐやめてしまいました。

そういう状態が一ヶ月程度は続いたのですが、ウォーキングアプリで歩いたことで運動によって脳が活性化されたのか、もしくは、良く休めたせいなのか良くわかりませんが、文字が読めるようになってきました。

もう、本が読めるようになる事は無いだろうと思っていた私にはとてもありがたい事でした。そこで読み始めたのは般若心経です(笑

苦から逃れるためにはどうしたら良いかというのは現代だけでなく、昔から人間が直面してきた問いです。むしろ現代よりも、医療やインフラが発達していなかった時代の方がより多くの苦と向き合う局面があったのではないかと想像します。

私は仏教徒ではありませんが、般若心経の中で説かれている「空」(くう)という考えにはかなり共感することが多く、自分の境遇を考える上ではとても役に立ちました。

罪悪感に対してはどのようにその考えを応用して良いかわかりませんでしたので、その解決策にはなりませんでしたが、、、

チャンネル不足

引き籠りストレス

このころ日増しにイライラが増えていきます。今から考えると、それは人と会話をしていない事による物だったのではないかと思います。

良く考えると、この2ヶ月で全く人と会話という会話をしていませんでした。都市に住みながらして、シャイニングのような雪に閉ざされたホテルに閉じ込められているような状態になっていたのでしょう。

私は、自分の苛立ちの仕方が少しおかしいとは気づいていましたが、ある日突然、物を投げたり、しまいには、ディスプレイを叩き割ってしまいました。

たたき割ってしまった自分にも腹が立ち、そのディスプレイをさらに壁に跡が残るまで叩き続けるという事で、自分の異常性に気づきました。

ここで、初めて私は、自分の精神状態が緊迫した状況にあると認識します。

睡眠不足は致命的

減薬で覚醒系の薬が減るとともに、睡眠導入剤の量が過剰になっているのでは、という恐れがあったので、睡眠導入剤の量も抗うつ剤の減量と同時に見直していきました。

これも、当然、主治医と相談の上減らしていきましたが、ただでさえ夜が辛いのに、その上導入剤を引くというのはとても無謀でした。今でもこの選択が正しかったのか良くわかりません。

現在でも、睡眠導入剤を引くというのは課題の一つにしていて、抗うつ剤の減薬の隙をみては若干ずつ、睡眠導入剤を引いてみるというのを繰り返しています。 

当時の自分は、睡眠の質が非常に悪く、半日程度寝ていても、必要な睡眠がとれていないという状態でした。当然、体調も非常に悪く、しかも、それが何によるものか分かっていないという状況でした。

この慢性的な睡眠不足は、無理な睡眠導入剤の減薬をやめ、少し量を戻してあげる事で解決しましたが、それが分かるまでは大変つらい思いをしました。